紫外線による肌荒れやぶつぶつの原因と対策|紫外線アレルギー(光線過敏症)の症状

「夏になるとぶつぶつが出る」「なんだか痒い、あせもかな!?」など、特に紫外線が強くなる季節に肌荒れやぶつぶつなどの肌トラブルが出やすい方。

もしかしたら光線過敏症かもしれません。

「光線過敏症」聞き馴染みのない言葉ですよね。

「紫外線アレルギー」と言った方がイメージしやすいかもしれません。

紫外線は日焼けやシミを作るだけではなくアレルギーを引き起こす原因になることがあります。

紫外線が引き起こす光線過敏症がどのようなものなのか、特徴や対策をみていきましょう。

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1. 紫外線による肌荒れ・ぶつぶつの原因となる光線過敏症とは

① 光線過敏症とは

光線過敏症とは、日光などの光線に当たることによって皮膚に異常な反応をおこす病気の総称です。

通常では問題にならない程度の日光照射でも、日を浴びた部分にぶつぶつや痒みなどの皮膚症状が現れる特徴があります。

私たちが肌に浴びる日光には「紫外線」「可視光線」「赤外線」と波長の違う3つの光線が含まれています。

波長が短いほど光のエネルギーが大きいため肌に与える影響も大きくなります。

中でも紫外線は他の光線よりも波長が短く大きなエネルギーを持っています。

光線過敏症の多くは紫外線によって引き起こされる免疫システムの過剰反応で、一般には「紫外線アレルギー」「日光アレルギー」と呼ばれることがあります。

紫外線以外の光線に反応して発症する場合もあります。

皮膚に現れる症状の特徴には

  • 発疹(ぶつぶつ)
  • 赤斑(赤い斑点)
  • 水ぶくれ
  • 痒みを伴う発疹
  • かぶれ

などがあります。

② 光線過敏症の原因

光線過敏症の種類は様々で、その原因も多岐にわたります。

光線過敏症は紫外線によって体内や皮膚内で作られたアレルギーの原因物質(アレルゲン)に反応してしまうことで発症します。

アレルゲンが作られる要因には

  • 遺伝、体質によるもの
  • アレルギー性のもの
  • 抗生物質、精神安定剤などの服用薬の影響
  • 塗り薬、湿布薬、化粧品などの化学物質に反よるもの
  • 別の病気を患っていて紫外線によって誘発されるもの
  • 原因不明なもの

などがあります。

そして、花粉症や他のアレルギーと同じように急に発症することがあります。

人によっては皮膚の症状以外に頭痛や吐き気などを起こす場合もあるため、光線過敏症が疑われる場合は皮膚科を受診するようにしましょう。

ここからは、光線過敏症の中でも高い頻度でみられる「多形日光疹」「光接触皮膚炎」の症状や特徴をあげていきます。

2. 多形日光疹と光接触皮膚炎について

① 多形日光疹


出典:dermis.net

多形日光疹は光線過敏症の中でも最も高頻度でみられるものですが、原因ははっきり解明されていません。

紫外線にあたる頻度が少ない方や10~30代の女性に多い傾向があります。

皮膚の症状は、紫外線を浴びた部分に痒みを伴うぶつぶつや赤斑ができます。

症状は紫外線を浴びてから数時間~数日にかけて現れ、数日~1週間以上つづきます。

紫外線が強くなる春~夏にかけて悪化し冬になると少し軽減を繰り返しながら慢性化していくことが多いようです。

加齢とともに紫外線に対して耐性ができて症状が出にくくなると言われています。

② 光接触皮膚炎


出典:allergy-clinic.co.uk

塗り薬や化粧品、金属など皮膚に付着した原因物質に紫外線が当たることでアレルギー反応を起こし発症します。

原因物質が付着して紫外線が当たった部分にだけ、痒みを伴うぶつぶつや赤斑・水ぶくれなどが現れます。

光接触皮膚炎の原因物質として多いのが、日焼け止めに使われている紫外線吸収剤(オキシベンゾンやオクトクリレン)や非ステロイド系消炎鎮痛剤(ケトプロフェン)が使われている湿布薬や塗り薬です。

湿布での光接触皮膚炎では、1週間前に貼った部分でもアレルギーが出ることがあるので注意が必要です。

これらの光線過敏症も他のアレルギーと同じように、根本的に治すことが難しいとされています。

そのため、症状が出た時はステロイド剤などで炎症や痒みを抑える対症療法が一般的です。

ただ何よりも重要なのは、発症の原因となる紫外線を浴びないようにすることです。

3. 紫外線による肌荒れ・ぶつぶつを防ぐための対策

紫外線によるアレルギーを起さないためには、年間を通して紫外線対策をしっかり行うことが大切です。

日焼け止めを塗る

日焼け止めは紫外線吸収剤不使用のタイプを選びましょう。

紫外線吸収剤はSPF値が高い日焼け止めに使われていることが多いのでパッケージをよくチェックしてください。

SPF20~30、PA++~+++を目安に選び、こまめに塗り直しながら使うことが肌への負担も軽減して効果的です。

SPFとPAの違いについてはこちらの記事も参考にしてください。

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メイクをしている場合は、スプレータイプの日焼け止めやUVカット効果のあるフェイスパウダーなどを塗り直すようにしましょう。

日焼け止めは、塗ってから30分ほどたって肌に馴染むとその効果を発揮します。

外出の30分くらい前に塗っておくのがポイントです。

UVカット製品を使う

UVカット製品には以下の2つのタイプがあります。

① UVカット加工製品

製品の後加工として紫外線吸収剤などを吹き付けコーティングして作られた製品です。

使用状況や洗濯の頻度にもよりますがUV加工の寿命は2~3年と言われています。

② UVカット素材製品

UVカット効果のある物質を素材そのものに練りこんで作られた製品です。

製品が破れたり壊れたりしない限りUVカット効果が持続すると言われています。

UVカット加工で作られた製品に比べると価格帯は高めの物が多いです。

UVカット製品には次のようなものが販売されています。

● 日傘

最近の日傘はUV加工をされている物がほとんどです。

そのため、日傘の色は黒でも白でもUVカット率に大差はないと言われています。

ただ、少し気を付けたいのは日傘の内側の色です。

紫外線は上からだけでなく地面に反射して下からも狙ってきます。

地面がアスファルトの場合、降り注ぐ紫外線量の約10%が反射してきます。

内側の色が白に近いと地面からの照り返しが更に反射し、日傘の中でも紫外線を浴びることになってしまいます。

外側の色は何色でもOKですが、内側はなるべく黒に近いものがおススメです。

● 帽子

キャップよりも360度つばが付いているハットがおススメです。

さらに、つばの長さが10cm以上あると紫外線を90%以上カットできると言われています。

ストローハット(麦わら帽子)は通気性は良いのですが、網目のすき間から紫外線を通してしまうので紫外線対策には向いていません。

いわゆる女優帽が紫外線対策には効果的です。

● サングラス

光線過敏症のアレルギー症状が目に出る場合もあります。

目から入る紫外線にも気を付けましょう。

レンズの色が濃い方が紫外線をカットしてくれそうに思いますが、実はレンズの色と紫外線のカット率は関係ありません。

むしろ濃いサングラスは視界が暗くなり瞳孔が開いてしまうため、紫外線が侵入しやすくなります。

特に色の濃いサングラスを購入する時は、必ずUVカットのレンズか確認しましょう。

他にもアームカバーや長袖の服を着るなど、なるべく肌の露出を抑えることが紫外線対策になります。

室内でもUVケア

紫外線のうちUV-Aは窓ガラスを通り抜けて室内まで届きます。

そのため、知らず知らずのうちに紫外線を浴びている可能性があります。

UVカットのカーテンやUVカットフィルムを窓に貼ることで、UV-Aの侵入も防いでいくことが出来ます。

ベランダ側に簾や日よけシェードを設置するとより効果的です。

車に乗る方は車内での紫外線対策も忘れないようにしましょう。

4. まとめ

光線過敏症は紫外線によって引き起こされます。

紫外線にさえ当たらなければ発症しないとも言えます。

ただ全く紫外線に当たらない生活を送ることは難しいので、できる限りの紫外線対策を行うことが一番の予防策です。

また、少しでも思い当たる症状がある方は一度皮膚科を受診してみましょう。

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