ふと二の腕を触るとザラザラした触感がといった経験はないでしょうか?
実は二の腕にできてしまう鳥肌のようなぶつぶつで悩んでいる方は少なくありません。
特に女性に多く、肌の露出が多くなる夏場には自分の二の腕を見る度にため息が出てしまうという方も。
そこで今回は、二の腕のぶつぶつの原因と対処方法についてまとめてみました。
二の腕のぶつぶつを消すためには、皮膚科での治療が一番です。
しかし、ここでは自分でケアする方法もご紹介しますので、ぜひご参考になさってください。
1. 二の腕のぶつぶつの原因とは?
二の腕にできたぶつぶつは、医学的には「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」、「毛孔角化症(もうこうせいかくかしょう)」と呼ばれており、皮膚疾患のひとつです。
この二の腕のぶつぶつは、肌の代謝異常が原因で古い角質が溜まることによって起きると言われています。
毛孔性苔癬は、毛穴の近くに小さく硬い角化症丘疹(かくかしょうきゅうしん)が生じる症状が特徴で、手で触れるとざらざらした質感がありサメ肌とも呼ばれています。
このぶつぶつのことを「丘疹(きゅうしん)」と言い、薄赤色もしくは肌色とほとんど区別がつかないような色をしています。
毛穴に角質が溜まっている状態なのでニキビのように見えますが、ニキビと決定的に違うのが、内部で細菌が増殖しているわけではないというところになります。毛孔性苔癬のメカニズムはまだ明確に解明されていません。
そして、毛孔性苔癬が最も発生しやすいのが二の腕と言われています。
発症は小児期~思春期の時期が最も多く、年齢とともに治る傾向にあります。
しかし、中には成人してもなかなか消えない方、成人してから発症する方もいます。
ごくまれに妊娠や出産を機に発症することもあるため、ホルモンバランスが関係しているとも考えられています。
毛孔性苔癬は二の腕にできることが多いと言いましたが、毛穴がある部位であればどこでも発症する可能性があるため、背中や太もも、お尻などにも出ることもあります。
二の腕のぶつぶつの原因は、医学的にはっきりと解明されているわけではありませんが、遺伝的な要因やホルモン代謝の影響によるものが大半と言われています。
順に詳しく解説していきます。
① 遺伝性
原因は特定されていませんが、両親のどちらかが毛孔性苔癬の場合には子どものときに発症する可能性が高くなるようです。
ホルモンバランスがまだ整っていない思春期に発症しやすく、多くの場合は成長とともに自然治癒していくようです。
男女ともに発症のリスクはありますが、統計学的には女性の方が発症しやすいとされています。
実は、女性の約3~4人に1人が二の腕のぶつぶつに悩んでいると言われています。
② ホルモン代謝
妊娠や出産後に発症する女性も多いことから、毛孔性苔癬はホルモン代謝が影響しているとも考えられています。
またストレスなどによってもホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌が増えることで、肌の毛穴に角質が詰まりやすくなってしまって毛孔性苔癬が発症することがあります。
さらにストレスはホルモンバランスを崩し、免疫力の低下や血行不良を起こしてしまいます。それによって、詰まってしまった角栓を取り除くためのターンオーバーが遅くなるため、治りが悪くなるという場合もあります。
③ 角質や角栓の溜まり
肌の表面の角質は皮膚のターンオーバーによって、自然と生まれ変わっていきます。
しかし、乾燥や栄養不足などによってターンオーバーが遅くなってしまうと、古い角質が長い間皮膚の表面に居座ることになります。
そして古い角質は堅くなり、角栓として開いた毛穴に詰まってしまいます。
その結果、皮膚の表面が盛り上がって丘疹になってしまうのです。
また、角質や角栓が溜まった肌は乾燥しやすく刺激に弱いというのも問題です。
乾燥はターンオーバーを遅くする原因になるので、意識的に肌の保湿を維持することが重要になります。
保湿を徹底することで角質がスムーズに剥がれる手助けになるので、綺麗な皮膚に生まれ変わりやすくなります。
④ ビタミンの不足
ビタミン類は肌の健康を保ち、調子を整えるために必要不可欠な栄養素です。
ビタミンが不足すると肌の新陳代謝が悪くなり、ターンオーバーが滞ってしまいます。
ちなみに、毛孔性苔癬のような皮膚疾患以外にも、脱毛による刺激やニキビ、蕁麻疹、日光過敏症などによっても二の腕のぶつぶつができる場合があります。
赤みが強い、膿んでいるなどの症状がある場合には、毛孔性苔癬ではない可能性が高いです。
炎症が起きている場合は薬による治療が最も効果的になりますので、早めに皮膚科の受診をして適切な処方を受けましょう。
2.二の腕のぶつぶつがかゆい時の対処法
一般に毛孔性苔癬はあまりかゆみを伴わないとされていますが、古い角質が溜まって乾燥した状態になると皮膚が敏感になるので汗や衣類の摩擦によってかぶれてかゆみを覚えるケースもあります。
続いては、二の腕のぶつぶつがかゆいときの対処法についてですが、二の腕のぶつぶつにかゆみなどの症状がでたときには、自宅である程度の対処法はとれますが、なかなか完全に治癒させることは難しいです。
まずは、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
自宅でもできる代表的なかゆみの対処法としては、冷やすことです。
よく絞った濡れたタオルを患部にあてたり、保冷剤のようなもので冷やしてあげるとかゆみはかなり治まります。
また、化粧水や乳液などのスキンケア用品も冷蔵庫で冷やして置いたものを使用するなどすると、保湿と冷却を同時に行えるので非常にオススメです。
毛孔性苔癬の場合、角質を取り除く効果が期待できる尿素が配合された化粧品を使用するのも効果的だと言われています。
ただし、尿素の割合が20%を超えるものは刺激が強く、肌の弱い方が使用するとピリピリしたり場合によっては逆に肌が荒れてしまう可能性もあります。
割合が高いほど効果が期待できますが、肌質が不安な方はまずは割合の少ないものから試してみることをオススメします。
なかなかかゆみが治まらない場合には、市販されているかゆみ止めの効果のある軟膏を使用するのも良いでしょう。
ただし、全く改善が見られない場合は感染症やウイルス性の皮膚疾患の可能性もありますので早めに皮膚科の受診をしてください。
かゆいからと言って、患部を掻きむしってしまうことは絶対にやってはいけません。
患部を掻いてしまうと、症状も悪化してしまいますし、痒い部分の範囲も広がってしまいます。
まずは冷やして様子を見てみて下さい。
3.二の腕のぶつぶつを自分でケアする
二の腕のぶつぶつ症状が軽度の場合には、自宅でケアを続けることで改善が期待できます。
いくつか紹介しますので、参考にしてみてください。
① 石鹸で洗う
乾燥しがちな肌には液体のボディソープよりも固形の石鹸を泡立てて使用する方が保湿効果が高くオススメです。
洗う前に湯船にしっかり浸かって皮膚を柔らかくしておくと、毛穴が開くので効率よく毛穴汚れの除去ができます。
洗う時には、良く泡立てて擦らずに泡で洗うようなイメージで優しく洗うようにしましょう。
② 栄養バランスを整える
栄養バランスを整えることで肌のターンオーバーを正常にできれば、毛孔性苔癬の場合改善が見込めます。
肌にとって特に効果的なのはビタミンやミネラルです。
また、コラーゲンなどの材料でもあるタンパク質も忘れてはいけません。
野菜を中心として良質のタンパク質を含んだ食材を摂取するようにしましょう。
特に、ビタミンB2、ビタミンCは肌の新陳代謝に直接働きかけるものなので、意識的に摂ると良いでしょう。
ちなみに、ビタミンB2は緑黄色野菜やレバー、牛乳などに含まれています。
ビタミンCはカラーピーマンやブロッコリー、キウイなどに豊富に含まれています。
食事で摂るのが難しい場合には、サプリメントや化粧品から取り入れるのも効果的です。
くれぐれも不足しないようにしておきましょう。
③ ストレスを改善する
ストレスは、肌トラブルに大きな影響を与えてしまいます。
食生活や睡眠を見直して、乱れた生活はできるだけ改善していきましょう。
精神的なストレスも溜め込みすぎる前に早めの発散を心掛けましょう。
運動や悩みを聞いてくれる相手を見つけるなど、自分なりのストレス発散方法を身につけることが大切になります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
薄着になる季節では、特に二の腕にできたぶつぶつも気になってしまいますよね。
二の腕のぶつぶつの原因は肌の新陳代謝の停滞であることが多いので、しっかりと栄養を摂りながら保湿を意識することが大切になります。
かゆみがある場合でも掻くのは我慢して、冷やしなどして対応していきましょう。
ただし、改善が見られない場合は皮膚科の受診をしてくださいね。