「毛穴から角栓がニョキニョキと顔を出している」
「黒くなった角栓が目立つ」
など、毛穴に居座る角栓が気になることはないでしょうか?
ダメだと分かっていても、ついつい爪やピンセットでいじりたくなってしまいますよね。
角栓を取ろうと深追いしすぎて肌が真っ赤になったり、傷付けてしまったり・・
角栓を取りたい欲求と後悔を繰り返している・・なんてことはありませんか?
角栓を取り除く方法には「爪や綿棒で押し出す」「ピンセットで引き抜く」「プッシャーを使う」など力技な方法が目立ちます。
目的が「とにかく角栓を取る」ことなら効果的な方法ですが、角栓が無くなった後の毛穴や周囲の肌の状態はどうでしょうか?
やり方を間違えると毛穴や肌を傷つけてしまいます。
この記事では、力技に頼らずに「肌に優しく角栓を取る」方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 角栓とは?
角栓は、毛穴の中で古くなった角質と皮脂が混ざり合ってできた物です。
白っぽくて脂の塊のように見えますが、実は角栓の70%は角質が占めています。
なぜ毛穴の中に多くの角質があるのかと言うと、毛穴は皮膚の表皮が袋状に凹んでできたものだからです。
表皮には、ターンオーバーによって角質を作り出す働きがあります。
ターンオーバーで作られた角質によって、雑菌の侵入や水分の蒸発を防ぐバリア機能という肌を守る機能が作り上げられています。
ターンオーバーについてはこちらの記事も参考にしてください。
角栓も、毛穴から雑菌や異物が侵入するのを防ぐ蓋の役割を持っています。
そのため、角栓は不要なものではなく肌に必要なものなのです。
通常なら角栓はターンオーバーとともに自然に毛穴の外に排出されます。
ところが、何らかの原因で毛穴が塞がってしまうとスムーズに排出することができなくなります。
そうすると剥がれた角質や皮脂がさらに混じり合い、どんどん大きな角栓が作られ毛穴を押し広げていきます。
毛穴を塞いでしまう原因には
- 肌の乾燥や紫外線によるダメージ
- ターンオーバーの乱れ
- 皮脂の過剰分泌
- メイク汚れ
などがあります。
本来なら角栓は自然に排出されるため、放置しておくのが一番です。
ただ、
「放置しておいてもなかなかキレイにならない」
「角栓が酸化して黒くなり、イチゴ毛穴になってしまった」
など、うまく排出できない角栓は気になる存在だと思います。
また、毛穴に詰まった角栓はニキビの原因にもなるため上手にケアしたいところです。
肌に極力負担をかけずに角栓を取り除くためには、角栓ケアのやり方と頻度をきちんと知ることが大切です。
2. 肌に優しい角栓の取り方
角栓のケアをする上で頭に入れておきたいことがあります。
● 角栓の主成分は角質
忘れてはいけないのが角栓の主成分は角質ということです。
角質は、たんぱく質でできています。
皮脂も角栓を作る成分ですが「対 たんぱく質」と「対 脂」ではケアの方法が異なります。
ここを勘違いして皮脂対策を進めてしまうと、肌の乾燥や角栓の悪化につながってしまうので注意しましょう。
● 一度のケアでは角栓は取れない
角栓の状態によっては一度でキレイに取れるものもあります。
ただ、一度のケアで無理やり取り除こうとして違う肌トラブルが出てしまっては意味がありません。
「一度のケアでは角栓は取れない」「少しずつ改善していこう」と長い目で見ながらケアしていくことが大切です。
角栓ケアは、角栓の原因となる
- 古い角質
- 余分な皮脂
- 毛穴を塞ぐ要因
これら3つへの対策を行うことがポイントになります。
①クレンジング・洗顔を正しく行う
正しくクレンジング・洗顔を行うだけで角栓の改善と予防ができます。
クレンジングは、メイク汚れを落とす目的があります。
洗顔には、クレンジング剤の残りや余分な皮脂を落とす目的があります。
間違ったやり方をしていると、肌に汚れが残ってしまう以外に乾燥や毛穴の詰まり、ターンオーバーを乱す原因になります。
毎日行うケアだからこそ、いかに肌に負担をかけずに効果的に行えるか「やり方」が決め手になります。
クレンジング・洗顔を正しく行うことで肌の環境は大きく変わります。
角栓が気になる方は、まずクレンジング・洗顔のやり方を見直すことを強くオススメします。
正しいやり方をこちらの記事で確認しておきましょう。
● 蒸しタオル洗顔でさらに効果アップ
蒸しタオルで顔に蒸気を当てることで毛穴が開き、毛穴を塞いでいた角質も柔らかくなるため角栓がより取れやすくなります。
蒸しタオルは、水で濡らしたタオルを電子レンジで1分温めるだけで簡単に作れます。
顔にのせておける温度に調節してから、顔を覆うようにして蒸気を当てていきます。
蒸しタオルがぬるくなったら外して洗顔をしてください。
② 古い角質を除去する
古い角質や汚れが肌に蓄積すると毛穴を詰まらせる原因になります。
スペシャルケアとしてピーリングを行い古い角質や汚れを除去していきましょう。
1. 酵素洗顔料を使用する
酵素洗顔料は、たんぱく質分解酵素や脂肪分解酵素の働きで角質や皮脂汚れを分解して落とす効果がある洗顔料です。
角栓は古い角質と皮脂でできているので角栓ケアの強い味方です。
主なたんぱく質分解酵素にはプロテアーゼ、パパイン酵素、パイン酵素などがあり、脂肪分解酵素にはリパーゼが配合されていることが多いようです。
AHAなどの酸を使ったピーリング剤よりマイルドな使い心地です。
酵素洗顔についてはこちらの記事も参考にしてください。
2. 酸が配合されたピーリング化粧品を使用する
フルーツ酸(AHA)、グリコール酸、乳酸などの酸の働きで角質を溶かして除去する効果があります。
美容医療ではケミカルピーリングの名前で有名な方法です。
ホームピーリング用としては、ローション、ジェル、石鹸など様々なタイプが市販されています。
● 酵素洗顔料、ピーリング化粧品の注意点
■ どちらの方法も角質を除去するため乾燥や刺激を感じる場合があります。
使用後はしっかりと保湿をしてください。
■ 商品に記載された使用頻度に従って使用してください。
使用頻度の記載がない場合は、始めのうちは多くても1週間~10日に1回の使用にとどめておきましょう。
角栓が気になる部分にだけ使うのも良いでしょう。
③ パックで角栓ケア
角栓ケアには、粘土(クレイ)パックがオススメです。
クレイ成分には、毛穴の汚れや皮脂などを「吸い取る力・吸着力」があります。
クレイにはモンモリロナイト、ベントナイト、ガスールなどさまざまな種類があります。
クレイのもつ皮脂を吸着する働きで、肌の乾燥を感じる場合があります。
クレイパックは週に1~2回を目安に、肌の様子を見ながら使用しましょう。
クレイパックは、たくさんの種類が市販されているので入手しやすいと思います。
化粧品の材料を取り扱っているお店でクレイを買えば、自分でクレイパックを作ることもできます。
乾燥が気になる時は手持ちのオイルを混ぜたりと、アレンジしながら使えるのも魅力のひとつです。
● 剥がすタイプの毛穴パックは効果的?
角栓といえば、剥がすタイプの毛穴パックが有名ですね。
確かに一度でごっそり角栓が取れる気持ちよさと、取れた角栓を見た時の達成感は何とも言えません。
ただ、剥がす時にかかる肌や毛穴への負担が少なくないため、基本的にはオススメできません。
どうしても使いたいという場合は肌の負担を軽くするために
- パック前に蒸しタオルで毛穴を開かせておく
- パックを剥がす時はゆっくりと丁寧に行う
- パック後は毛穴を引き締める
冷蔵庫で冷やした化粧水、化粧水を付けた後に保冷剤で冷やすなどして毛穴を引き締めてください。
- パック後はしっかり保湿する
- 毛穴パックは月に1回まで
以上の点に注意しながら行いましょう。
パック前後のケア不足や使用頻度が多いと、かえって毛穴の開きや詰りが起こりやすくなるので気を付けましょう。
④ 肌を保湿する
肌を保湿することで次のような効果があります。
- ターンオーバーを整え角栓の排出を促す
- 角質を柔軟にして毛穴を塞ぎにくくする
- キメを整え開いた毛穴を改善していく
- 過剰な皮脂の分泌を抑える
一見、角栓ケアに関係なさそうな保湿ですが、毛穴の状態は肌の水分量によっても左右されます。
毛穴というと「皮脂が出る」というイメージが強いと思います。
そのため、毛穴トラブルを改善する時には皮脂を取り除くことに意識が行きがちになります。
ところが成人女性の場合、乾燥が原因で皮脂分泌が過剰になっているケースが多くみられます。
スキンケアにおいては不足している水分や油分を補い、水分と油分のバランスを取ることで皮脂コントロールしていきましょう。
水分と油分のバランスがとれている肌作りが、多くの毛穴トラブルの改善と予防につながります。
保湿ケアについてはこちらの記事を参考にしてください。
● 角栓ケアにおすすめの美容成分
■ セラミド
もともと私たちの肌にあり、非常に優れた保水力をもつ成分です。
特に「ヒト型セラミド」がオススメです。
■ ビタミンC誘導体
皮脂の分泌を抑制するため、角栓や毛穴のつまりに効果的です。
また、皮脂の酸化やメラニンの沈着を防ぐので毛穴の黒ずみ解消も期待できます。
セラミド、ビタミンC誘導体についてはこちらの記事も参考にしてください。
3. まとめ
多くの女性が悩まされる角栓ですが、正しくケアをすれば肌を傷めずに改善していくことができます。
また、規則正しい生活やバランスの良い食生活など体の内側からのケアも大切です。
1度ではきれいに取れない頑固な角栓もありますが力技は禁物です。
お肌に優しいケアを行うことが、数か月後、数年後のキレイな肌を作ります。
焦らずに丁寧なケアを心がけましょう。