巻き爪のテーピングの巻き方|応急処置としてのテーピング

足指の爪の両脇が内側に巻いてしまうことで皮膚にくい込み、痛みを伴うことも多い「巻き爪」。

主に負担のかかりがちな親指の爪に起こる場合が多い症状ですが、その他の指の爪にも現れることがあります。

巻き爪の症状で痛みや違和感を覚えた場合には、そのまま放っておいてはいけません。

炎症を起こしたりして悪化し大変なことになることもあるからです。

そこで誰でもできるといわれる巻き爪の応急処置に「テーピング」があります。

この記事ではテーピングの方法や病院でのテーピング治療などをご紹介しています。その内容を詳しく見ていきましょう。

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1. 巻き爪はテーピングで治るの?

テーピングは巻き爪が痛む時、自宅で手軽にできる処置として改善が期待できる方法です。

中でも比較的軽症の「陥入爪」の応急処置法としてなじみがある人も多いのではないでしょうか。

テーピングはあくまでも「応急処置」なので、爪を根本的に矯正する力は望めません。

ですが自宅でおこなえて、ツラい痛みは軽減されるというメリットがあります。

逆に言えば、テーピングで望める効果は「痛みの緩和」ということです

なお、皮膚科でのテーピング治療でも陥入爪の人の場合、少々化膿していてもこの処置で改善されることが多いともいいます。

巻き爪の症状が軽い人や、「病院に行くまでもないけれど1日歩くと痛くてツラい」「病院に行く時間が作れない」などという人は、まずはテーピングを試してみることをおススメします。

そしてデメリットでは、中度・重度の巻き爪は痛みをやわらげる程度の処置にしかならないことが多いという点。

テーピングを強くし過ぎると、巻き爪を悪化させることになるだけでなく、巻いていない側の爪までも巻き爪になる場合があるのです。

そのため力加減には注意して、慎重に行う必要があります。

2. 巻き爪のテーピングの方法

テーピング法には2種類あります。

1つは「テープで皮膚を引っ張り爪から離す方法」

そして「爪と皮膚の間にテープを挟む方法」とがあります。

前者は、深爪が原因で爪と皮膚にほとんどスキマがない状態での対処に向いている方法。

後者は1ミリ程度の爪の長さがある場合の対処に試してもらいたい方法です。

つまり、テーピングを行う条件は「爪の長さ」。

爪の伸び具合を確かめ、ご自分の足の状態に適した方法を選んで行うことをおススメします。

【用意するもの】

  • 伸縮性のあるテーピング
  • はさみ

ドラッグストアなどで市販されている伸縮性のあるテーピングを用意します。

メーカーや色は何でもOK。

とにかく伸縮性があって粘着力に優れたテーピングを選ぶことがポイントです。

基本は長さが6センチ、幅2.5センチにカットしたものが使いやすいサイズといわれています。

他にも長さは8センチ、幅1.5~2センチくらいが良いという声もあるようです。

テープの巻き方

1:テープで皮膚を引っ張り痛みをやわらげる方法

テープで皮膚を引っ張り痛みをやわらげる方法を見ていきましょう。

① 痛みのある爪の横幅に沿ってテープを貼る

テープの端をできるだけ爪の脇ギリギリの部分に貼ります。

汗をかいていたり薬を塗ったままだったりではテープの粘着力が落ちるので、患部の皮膚をしっかり乾燥させることがポイントです。

② 爪と皮膚を引き離すイメージでテープを横に引っ張る

爪と皮膚の間を広げて離すように強く引っ張ります。

皮膚を下に「押し下げる」感じで行うとうまくいきます。

痛みのある爪が皮膚にくい込まないよう、人為的に圧力を加えるわけです。

③ テープをらせん状に巻いていく

テープを引っ張りながら指の下へ通し、裏側に回します。

この時にも皮膚を押し下げる感じで引っ張ること。

指の下から回したテープを、今度は指の上をななめに回しながら引っ張ります。

最後までしっかり引っ張りながら指をひと回りし、指の上に貼って終了です。

皮膚が下に押し下げられたので、爪のくい込みが軽減されます。

④ 反対側にも同様に貼る

①~③の手順を、最初に貼った指の反対側にも同じく行います。

必ずしも行う必要はなく、巻き爪の反対側も痛い場合にのみ行うのもよいでしょう。

このテーピング法のコツは、最初に引っ張り始めてから最後まで力を緩めないこと。

同じ力のままテープを引っ張り続け、指を一周させましょう。

2:痛みのある爪と皮膚の間にテープを挟む方法

① 巻き爪になっている指のつま先を囲むように貼る

テープを痛みのある爪の指の付け根からつま先を通り、反対側の指の脇まで「やさしく」貼ります。

この時、テープの端が3ミリほど爪にかかるようにそっと貼ってください。

※このテーピング法では、「皮膚を引っ張る方法」のように強く引っ張らないこと。指やつま先のカーブに沿ってそっと貼るように注意しましょう。

② テープの端をピンセットなどで爪の下へくい込ませる

3ミリほどテープがかかっている部分を、ピンセットや爪楊枝を使ってくい込んだ爪の下(内側)に詰め込んでいきます

こうすることで爪による皮膚の圧迫を軽減させ、痛みをやわらげます。

この手順で痛みを感じる・テープが入るスペースがない場合は、絶対に無理をしないこと。

どちらの方法も、おこなう場合は足が清潔な状態が基本です。

望ましいタイミングは入浴後でしょう。

テープを貼る患部に汚れや脂がついていたりすると剥がれやすくなってしまいます。

もちろん濡れていたり湿っていたりする状態もよくありません。

きちんと水気をぬぐい乾いた状態の皮膚にテーピングを行うように。

また、お風呂に入らないという日の場合は、ボディシートや濡れタオルなどできれいに拭いてしっかり乾かしてから貼るようにしましょう。

3. テーピング治療にかかる期間

テーピングの治療にかかる期間は3か月から半年、人によっては1年ほどかかる場合があるようです。

自宅でできるとはいえ、半年以上も毎日テープを巻く作業を続けるのは簡単なことではありません。

そして、痛みをやわらげる効果は高いといってもあくまでも応急処置のため、「完治」の判断もなかなか難しいところといえるでしょう。

自宅で行える便利な方法ですが、不安な場合には皮膚科を受診することをおすすめします。

4. 病院でテーピング治療する

自宅でのテーピングに不安があるという人には、巻き爪をテーピングで治療するというクリニックもあります。

テーピングの施術をしてくれるクリニックによると、

巻き爪テーピングは医療行為であり、爪そのものを矯正するのではない。血液の循環を改善することで爪母(そうぼ)組織を正常に戻し、爪本来の生え方を取り戻す生理的な治療法

とのこと。

なお、爪母とは爪根(そうこん;皮膚の下に入り込んでいる爪の根本の部分)にある一般に「爪」と呼ばれる爪甲を作り出す細胞の集合体のことです。


出典:www.narumi-clinic.jp

この爪母組織が細胞分裂をして増えることで新しい爪が作り出されます。

その新しい爪に押し出されるようにして爪は指先へと伸びていくのです。

そしてその速度は1日に0.1~0.15ミリといわれているようです。
(参考:「読んで美に効く基礎知識」用語集

なんだか難しいですが要は、

巻き爪を元から治すためにはすでに伸びている爪の部分を矯正するだけではない。ましてれっきとした医療行為のテーピングを自力で行うなどはもってのほか

ということになるでしょう。

テーピングを病院で受けるとなると、初診から最初の1~2週間は毎日の通院が絶対というクリニックもあるようです

自宅が遠方の人や仕事を休めない人にとって受診は厳しいといえるでしょう。

ご参考に治療の方法を紹介します。

まず炎症を起こしている部分の爪を切り、テーピングを行って次の日から爪の状態に合わせてテーピングを変えていくという流れとなるようです。

基本的に爪の切除の際に麻酔を使わないようなので、かなりの痛みを伴うことが予想されます。

また、スポーツ用のテーピングテープの使用は厳禁です。

テーピングには外科・内科・皮膚科・形成外科や解剖・生理学等の広く正しい知識が必要とのことなので、何も知らない状態で安易に行うものではないようです。

5. まとめ

巻き爪が痛む、違和感があるといった時に自宅でもすぐ行えるテーピング法をご紹介しました。

症状が軽い場合の巻き爪なら、毎日マジメに実践すると痛みの緩和だけでなく、治癒する可能性も高くなるといいます。

「テーピングは巻き爪処置の第1ステージ」といってよいほどの効果が期待できる方法です。

「病院に行くまでもない」という人は試す価値が十分にある方法ともいえるでしょう。

自分で処置を行うには不安があるという人は、やはり皮膚科へいき症状の診断を受けることをおすすめします。

そこでご自身が納得の行く治療を受けるなど選択肢を増やすのも、後悔を減らす方法なのではないでしょうか。

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