肌が弱い人は敏感肌なの?|肌が弱い人の特徴と敏感肌をつくる要因

「敏感肌」日頃よく耳にしますが、実は敏感肌という言葉は医学用語にはありません。

また、明確な定義もないため皮膚科で「敏感肌」と病名を付けられることもないのです。

ただ、一般には「角質層のバリア機能が低下して、外からの刺激に対して敏感に反応し通常では起こらないはずのトラブルが現れやすい肌状態」のことを敏感肌といいます。

つまり敏感肌は乾燥肌や混合肌などの肌質ではなく、敏感になっている肌を表す言葉です。

一方、肌が弱い人は体質的に角質層のバリア機能が低下しやすいため、化粧品や紫外線など外部刺激から肌を守る力が弱い肌質をもっています。

そのため、肌が弱い人は敏感肌なのか?の結論としては、肌が弱い人は常に敏感肌になりやすい肌状態にあります。

では、そもそも「肌が弱い人」とはどのような人なのでしょうか?

スポンサーリンク




1. 肌が弱い人がもつ体質的な特徴

肌が弱いと言われる人の肌質は、その人がもつ遺伝的・体質的な先天的要因が大きく影響しています。

その中でも

  • 皮膚(角質層)が薄い
  • アレルギー体質
  • アトピー性皮膚炎をもっている

これらの体質をもっている場合、特に肌の弱い人が多いです。

まず、角質層は肌の一番外側にあり異物が体内に侵入するのを防ぐとともに、体内の水分が外に逃げないようにする「バリア機能」という機能をもっています。

簡単にいうと体表面を覆い防御壁の役割をしてくれている部分です。

角質層が薄いということは、この防御壁が薄くバリア機能の働きが低下しやすい状態です。

そのため、本来は侵入を防げるはずの異物や外部刺激から肌を守ることができずに、痒みや炎症などをおこしやすくなります。

次にアレルギー体質をもっている人の肌では、免疫の過剰反応がおきやすくなります。

肌にはランゲルハンス細胞という、肌に侵入してきた菌などを排除するために働く免疫細胞がいます。

アレルギー体質の場合、特に排除しなくてもよい物に対しても過剰に反応し、攻撃をしてしまうため痒みや赤み、発疹などの反応が出てしまいます。

肌でもこのアレルギー反応による炎症やトラブル症状がでやすい体質です。

最後にアトピー性皮膚炎ですが、アトピー性皮膚炎の方の肌は、セラミドという角質層にある保湿成分が生まれつき少ないのです。

このセラミドは、角質層のバリア機能の働きに大きな影響を与える成分なため、セラミドが少ない肌はバリア機能が低下してしまいます。

そのため外部刺激に弱い超敏感肌です。

このように肌が弱い人はバリア機能が低下しやすい、もしくは低下しているため生まれつき外部刺激に対して敏感に反応しやすい肌質です。

ただ、体質的要因をもっていたとしても、全ての人が敏感肌になるわけではありません

むしろ体質的な要因以外も加わって敏感肌になっていたり、体質的な要因がないのに敏感肌になっている人の方が多いのです。

2. 敏感肌をつくる要因

あるアンケートでは、成人女性の7割が自分は敏感肌だと思っているという結果がでています。

でも、敏感肌には明確な定義がなく医師からの診断がおりることもないのに、なぜこのようなアンケート結果になったのでしょうか?

それは、本人が敏感肌だと言えば敏感肌だからです。

今や多くの化粧品メーカーが敏感肌用のラインを揃え、テレビや雑誌でも敏感肌という言葉があふれています。

そのため多くの人の頭の中に「肌がピリピリする」「いつも使っている化粧品がしみる」「肌がほてる」=敏感肌=肌が弱いという図式ができあがっています。

ただ私の経験上、肌が弱くて敏感肌だと思っている人の大半は、普段のスキンケアや生活習慣によりつくられた後天的な敏感肌です。

ということは、

肌が弱い人 = 敏感肌になりやすい

しかし、

敏感肌 = 全員が肌が弱い人ではない

と言えます。

そして何より問題なのは、敏感肌を肌質だと思っているので、その原因が自分の行動にあることに気が付いていない点です。

敏感肌になる原因は、ざっとあげただけでも以下のようなものがあります。

  • 肌の乾燥
  • 間違ったスキンケア
  • 睡眠不足
  • 食生活の乱れ
  • 便秘
  • ターンオーバーの乱れ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • ストレス
  • 日焼け

どれも結果的に肌のバリア機能を低下させ、外部刺激に弱い肌になります。

敏感肌は、肌にとってプラスに働く要素ではないため、多くの人がどうにかしたいと思っているはずです。

トラブルのない健康な肌状態にするためには、まず原因を取り除かなければなりません。

敏感肌用の化粧品だけでは原因の改善はできません。

「洗顔すると顔中にバーッと赤みが広がる。いろいろな洗顔料を試したけれど合う物が見つからない」

と悩んでいた人に、洗顔する様子を見せてもらったことがあります。

手にのせた洗顔料を軽くなじませたあと、泡も立てずにそのまま顔に広げて洗っていました。

泡がないので軽く手でクルクルするだけでも、肌への摩擦がおきます。

すすいだ後の肌は本人が言う通り赤みが広がっていました。

当然そうなるよね・・と私は納得できましたが、当の本人は気付いていません。

間違った洗顔方法をずっと続けてきたことで、バリア機能の働きをもつ角質層がダメージを受け続け、軽く擦っただけで赤みが出てしまうのです。

洗顔だけに限らず、肌への触れ方やスキンケア、食生活や睡眠時間など健康な肌作りに欠かせない基本的なポイントがそれぞれにあります。

例えば今回の洗顔でいえば、

  • 弾力のあるキメ細かい泡で擦らないように手早く顔全体を洗顔し、すすぎはぬるま湯(30~35℃)で十分におこなっているか?
  • 洗顔後は擦らないように清潔なタオルで水滴を拭き取れているか?

が基本的なポイントです。

何を食べるのかではなく、どのようなバランスで食べるのか
8時間眠るのではなく、何時から8時間眠るのか
どんな化粧品を使うのかではなく、どうやるのか

が重要なのです。

気を付けているけど肌に変化が感じられない人は、やり方を見直しましょう。

敏感肌は1日や2日で作られたのではなく、日々の積み重ねによってできています。

そのため1日や2日で改善できるものではありません。

肌のターンオーバーは通常28日ですから、最低でも1カ月はかかります。

敏感肌はターンオーバーが乱れている可能性が高く、年齢とともにターンオーバーも遅くなるため2~3か月スパンで焦らず肌の変化をみてください。

3. まとめ

肌が弱い人は敏感肌なのか?というテーマで書いてきました。

繰り返しになりますが、肌が弱い人はもともとバリア機能が低下しやすい肌質です。

バリア機能が低下すると外部刺激に反応しやすい敏感な肌状態になります。

そのため肌が弱い人は敏感肌になりやすい傾向にあります。

自分は敏感肌になりやすい体質だということを頭におき、保湿ケアや摩擦などによる肌への負担を減らしたスキンケアを心がけてください。

それと同時に生活習慣や食生活にも注意し、体の中からも外部刺激に負けない肌作りをすることで、肌の弱い人でも敏感肌にならずに過ごすことができるでしょう。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
error: ごめんなさい!コピーはできません。