イオン導入の効果とやり方|イオン導入美顔器の使い方

肌に良さそうなイメージのある「イオン導入」ですが、その実態についてよく分からない人も多いのではないでしょうか?

実際にイオン導入は肌に栄養を効率良く届けることのできる大変有用な美容ケアです。

エステサロンや美容皮膚科などで施術されているきちんとした技術ですが、実は専用の機器を購入すれば自宅で簡単にできることも魅力の一つなのです。

この記事では、イオン導入の原理と効果やイオン導入美顔器の使い方について見ていきましょう。

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1. イオン導入とは

イオン導入とは、電流の力で美容成分を肌の奥へ届ける方法です。

普通に手で美容液を塗るときと比べてより効率良く美容成分を肌の奥へと浸透させることができることから、最近注目の美容法となっています。

イオン導入の原理

どうしてイオン導入をすると美容成分の浸透効果が高くなるのか気になりますよね。

イオンなんて聞くと少し難しい気がしますが、仕組みはとても簡単です。

まずは、イオン導入の説明の前に私たちの肌が本来持っているバリア機能について触れておきましょう。

肌の一番外側にあるのは角質層という0.02ミリの薄い膜です。

角質層は弱酸性となっていて、プラスのイオンが多い状態となっています。

そして角質層のすぐ下には顆粒層という弱アルカリ性の層があり、こちらはマイナスのイオンが集まっている状態になります

このようにプラスの層とマイナスの層が重なっているその間には、緩衝帯が形成され電気的なバリアできるのです

このバリアのおかげで異物の浸透から肌が守られているのですが、同時に普段の美容液の浸透も阻まれているのです

プラスとプラス、マイナスとマイナスは反発することはイメージしやすいと思います。

この反発力がバリアの役割を果たすのです。

例えば、マイナスのイオンが肌の奥へ浸透しようとすると角質層はプラスなので容易に吸着されますが、その奥の顆粒層はマイナスの層なのでマイナスのイオンを反発します。

そのため、角質層より奥へは浸透することができません。

プロセンタやビタミンC誘導体など肌に良いとされる美容成分の多くはマイナスのイオンとして肌に浸透していきますので、ただ普通に塗るだけではバリアに阻まれ角質層までしか浸透させることができないのです。

そこで、イオン導入の出番になります。

イオン導入器を肌に当て、そこから微弱な電流を流すことで一時的に角質層と顆粒層を中性に近づけます。

そうすることで電気的なバリアが弱まり、浸透しやすくなるというわけです。

さらに、イオン導入器からマイナスの電気を流すことでビタミンC誘導体などのマイナスイオンを帯びた美容成分は肌表面から奥側へと反発されるので、弱まったバリアを勢いよく通過して浸透していきます。

効果が証明された安心できる技術

イオン導入は決してうさん臭い技術ではありません。

皮膚科などで専門医によって行われる施術の一つであり、成分の浸透効果はいくつもの論文によって証明されています。

従来、注射などの侵襲性(身体に与えるダメージ)の高い施術でしか美容成分を届けることができなかった顆粒層以下に、ほとんど痛みもなく簡単に浸透させることのできる新しい技術として現在も研究が進められています。

将来的には、歯科領域の麻酔や糖尿病患者へのインシュリン投与などもイオン導入によっておこなうことが可能ではないかと期待されています。

イオン導入は、医学界でも検討が進められている信頼できる技術なのです。

2. イオン導入の効果

単純に塗るより美容成分がより浸透する

イオン導入によって浸透させた美容成分は、手で塗っただけのときと比べて30倍から場合によっては50倍以上もよく浸透すると言われています。

これが、肌のバリアを弱めてから浸透させるイオン導入の最大の利点になります。

イオン化可能な美容成分ならばなんでも肌の奥へ浸透させることができます。

いろんな肌の悩みに効果がある

使用する美容液の選択によって様々な効果を得ることができるのがイオン導入の特徴です。

一般的には以下のような悩みの改善を得ることができます。

  • 肌の赤み、くすみ
  • シミ
  • そばかす
  • ニキビ跡
  • 乾燥肌
  • シワ
  • たるみ

たくさんの美容効果がイオン導入で得られることがわかるかと思います。

記事の後半でイオン導入に用いる美容成分とその効果について簡単に紹介しています。

それを参考に、ご自身の悩みに合った美容成分が含まれている美容液を選んでイオン導入をするのが良いでしょう。

3. イオンの導入と導出

イオン導入はこれまで説明したとおり、電気の反発力を利用してイオンを肌の奥へと浸透させるものです。

それに対して、電気の吸着力を利用してイオンを肌の表面へと浮き上がらせるイオン導出というものがあります。

イオン導出は肌の不要な成分を吸着して取り除くことができるので、ある種のクレンジングとも言えるでしょう。

イオン導出には大きくわけてプラスの電流を使うものとマイナスの電流を使うものと2種類あります。

導入と同時に起こる導出

マイナスの微弱電流を流すことでマイナスのイオンとなっている美容成分を肌の奥へと浸透させるのがイオン導入であることは既に説明しました。

しかし、実はイオン導入の効果はそれだけではありません。

マイナスの電流にはプラスのイオンを引きつける力がありますので、イオン導入で美容成分が肌の奥へ浸透するのと同時に、角質層に集まっていたプラスのイオンが肌表面に浮き上がって(導出されて)きます。

プラスのイオンの中にはファンデーション・ダニの死骸などのゴミが多く含まれていて、それらを吸着することで肌の掃除ができるのです。

イオン導入では美容成分を浸透させながら同時にイオン導出によって肌もキレイになるというダブルのメリットが働いています。

プラスの電流を使う導出

イオン導出器の多くは、マイナスの電流だけでなくプラスの電流を流すこともできます。

一般的に「イオン導出」と呼ばれるのは、前述のようなイオン導入の副次的に起こる導出ではなく、こちらのプラスの電流を利用した物を指すことが多いようです。

プラスの電流には、同様にマイナスのイオンを引きつける力があります。

古い角質やホコリ・排気ガスやたばこの煙などの汚れはマイナスのイオンとなって肌に付着しているので、プラスの電流を流すことでこれらのゴミを吸着して取り除くことができます。

プラスのイオンで浸透する美容成分は少なく、プラスの電流によるイオン導入はあまり行われません。

マイナスは導入、プラスは導出と覚えておいてもいいでしょう。


出典:cree-jp.com

4. イオン導入美顔器の使い方

それでは具体的なイオン導入の方法について説明していきます。

イオン導入はエステや美容皮膚科などで行われている施術ですが、やり方は難しくありません。

イオン導入器を購入すれば自宅で簡単にできますので安心してくださいね。

①導入したい成分を配合した化粧水をコットンに含ませる

機種によっては顔に直接塗る場合もありますが、ただ顔に塗るだけでは化粧水はすぐに蒸発してしまうのでせっかくのイオン導入の効果が減少してしまいます。

なるべくコットンやフェイスマスクなどに染みこませて使用し、コットンが乾いてきた場合もすぐに湿らせるようにしましょう。

②肌にコットンを乗せ、その上からイオン導入器を押し当てる


出典:facial-device-moka.com

機種によってはイオン導入器にコットンをくくりつけられる物もあります。

成分を浸透させようと強く押しつける必要は全くありません。

イオン導入は電気の反発力を利用していますので、肌に触れてさえいれば効果は得られます。

優しくケアしましょう。

③10秒から15秒ほど経ったらイオン導入器を少しにずらす。これを繰り返して顔全体をまんべんなくケアする

同じ場所に長い時間当てていると、電流の刺激が肌への負担になってしまいます。

心の中で10秒程度数えたら少しずつ場所を変えましょう。

その際も、肌を強く擦らないように優しくずらすと肌への負担が少なく済みます。

トータルで顔全体にかける時間も10分から15分程度に留めるのが良いでしょう。

イオン導入器によってはある程度連続で使うと自動で電源が切れるものもあります。

何事もやり過ぎはよくありませんので、適度なところで終了しましょう。

また、イオン導入は毎日おこなうと逆に肌への負担になってしまいます。

週に1回くらいのペースに留めましょう。

イオン導入美顔器の使い方は以上です。

とても簡単で、誰にでもできる肌ケアであることが分かっていただけたのではないでしょうか。

使用後もイオン導入器は清潔に保ち、使うコットンなども清潔な物を使用しましょう。

イオン導入では、汚れが付着しているとそれらも一緒に浸透させてしまいます。

もったいないからと言ってコットンを使い回すことは絶対にやめましょう。

5. イオン導入に適した美容液は?

イオン導入ではイオン化(プラスかマイナスの電気を帯びること)した成分しか肌の奥へ浸透させることができません。

例えば、保湿成分で有名なセラミドはイオン化することができないのでイオン導入でも浸透させることができません。

また、ヒアルロン酸やコラーゲンなども、イオン化はするものの成分の分子の大きさが肌の隙間よりもかなり大きいため浸透させることができません。

イオン導入では、適した成分を使用することが大切なのです。

イオン導入に適した成分と効果

イオン導入でよく使われる成分をその効果と一緒に紹介します

① ビタミンC誘導体

イオン導入では最もポピュラーな美容成分です。

ビタミンC誘導体は体内に吸収されるとビタミンCに変化する性質があります。

主な効果として、メラニンを還元して色素沈着を防ぐ美肌効果や抗酸化作用による肌の老化防止などが期待できます

他にも皮脂分泌を抑える作用やニキビの改善と防止などの美容効果に加え、真皮でのコラーゲン生成の働きを促進させることで肌のターンオーバーの正常化も図ることができます。

さらにはシミやシワ、肌のたるみなどのトラブルの改善にも効果があるまさに肌にとっては良いことづくしの万能な美容液と言えます。

イオン導入をする際に美容液に迷ったら、ビタミンC誘導体が含まれているものを選んでおくと良いでしょう。

② プラセンタ

さまざまな栄養がバランス良く含まれているので、高いエイジングケア効果が期待できます。

その中でも特に「線維芽細胞」を増殖させるFGFという成分がプラセンタの大きな特徴です。

線維芽細胞とは表皮の下にある真皮を構成する細胞で、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生産する役割を持っています。

線維芽細胞が加齢と共に減少するため、年を取ると肌のハリなどが失われてしまうというわけです。

プラセンタをイオン導入によって浸透させることで、その線維芽細胞の減少を食い止める役割を果たしハリのある肌を作ってくれます。

他にも、肌のターンオーバーを整える効果もあるのでシワやたるみの解消に役立ちます。

さらにプラセンタには核酸という成分も含まれており、私たちの壊れた遺伝子を修復し新陳代謝を正してくれる効果があります。

老化を防止してくれる頼もしい栄養素です。

③ トラネキサム酸

トラネキサム酸はアミノ酸の一種で、メラニンを抑制する効果が高く美肌効果が期待できます

これからできるシミを予防したい方はトラネキサム酸、今あるシミに悩んでいる方はビタミンC誘導体と使い分けると良いでしょう

あるいは、ビタミンC誘導体と組み合わせて使うのも大変効果的なのでオススメです。

また、トラネキサム酸はプラスミンというタンパク質酵素の働きを抑えてくれる効果もあります。

プラスミンは肌の細胞に刺激を与えてニキビなどの炎症を悪化させ、色素沈着を作る原因です。

トラネキサム酸をイオン導入すると、ニキビの炎症を落ち着かせるのに加えてニキビ跡の予防もしてくれます。

皮膚科で顔の赤みの治療にも用いられている成分ですので、美肌効果についても信頼できる作用だと考えても良いでしょう。

劣化が早く保存が難しいため、イオン導入用に市販されているものが少ないのが難点です。

美容液ならなんでもいいの?

美容成分が配合されている手持ちの美容液などをイオン導入に用いることは可能ですが、注意が必要です。

一般的な化粧水には美容成分以外の添加物が含まれていて、中には界面活性剤のような肌に負担のかかる成分が含まれている場合もあります。

イオン導入では美容成分以外の成分も一緒に肌の奥へ浸透させてしまいますので、それが逆に肌荒れの原因になってしまうことがあるためです。

イオン導入専用の美容液は浸透を前提に作られていますので、そういった不要な成分が含まれていません。

したがって、イオン導入の際には専用の美容液を使用する方が安全であることは間違いありません。

6. まとめ

イオン導入・導出についてまとめてみました。

理論はともかくとして、肌に栄養をたくさん浸透させることのできる方法がイオン導入です。

やりすぎには注意が必要ですが、イオン導入は肌にとって良いことづくしの万能美容ケアです。

エステや美容皮膚科などに行かなくても、専用の美顔器を使えば自宅で手軽にできるのも嬉しいですよね。

顔全体だけでなく、自分の気になるところだけを手軽にケアすることができるのも魅力の一つです。

日課の肌ケアだけでなく、たまにはイオン導入を使った贅沢な美容成分の補給をしてみても良いかもしれませんね。

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