肌ケアと聞くと化粧水や乳液などに目が行きがちですが、洗顔も大事なケアの1つです。
洗顔が不十分だと化粧水の浸透も悪くなるなど、その後のケアの効率が下がってしまうことにも繋がります。
今回取り上げるのは、近年流行している「洗顔ブラシ」についてです。
手で洗うよりも細かい汚れが取れるのが特徴で、ニキビや肌のくすみの改善に効果があると評判の洗顔ブラシですが、同時に刺激が強く肌荒れを起こしてしまったなんて口コミもよく目にします。
この記事では、実際のところ洗顔ブラシは肌にとって良いのか悪いのか、使い方や注意点などを見ていきましょう。
1. 洗顔ブラシの種類
洗顔ブラシには大きく「筆タイプ」と「電動タイプ」の2種類があります。
それぞれ微妙に特徴や価格帯が異なるので、最初に一度整理しておきましょう。
筆タイプ
まさに筆のような形をしていて、肌への当たりが柔らかいタイプです。
百円ショップで買えるようなものもあれば、熊野筆のような高級なものまで価格帯はさまざまです。
一般的によく買われている価格帯は2000円~3000円台程度になります。
電動タイプと比べると軽くて持ち運びやすく、また充電の必要もありませんのでシーンを選ばずに使用することができるのが強みです。
髪の毛より細い化学繊維や馬や豚などの毛が一般的に使用されています。
電動タイプ
出典:yamada-denkiweb.com
基本形は電気シェーバーのような持ち手に短い毛束の円形ブラシが付いた物になりますが、ブラシの形状は製品によって様々で、素材も化学繊維だけでなくシリコンが使われているなど幅が広いです。
電動の仕方にも種類があり、ブラシが音波振動を起こして汚れを浮かすタイプのものやブラシが回転して汚れを落とすタイプのものなどがあります。
ブラシが自動で動いているため洗顔時は顔の上を滑らせるだけで済むので非常に楽な上、振動や回転によるマッサージ効果が期待できます。
手では再現できない高速振動による洗浄能力の高さが売りですが、逆に言えば肌への刺激が少し強めで筆と違って力加減を調節するのが難しいと言えます。
価格帯は5000円~10000円程度と、筆タイプと比べると少し高めの初期費用がかかりますが、劣化時にはヘッド部分を交換できるのでランニングコスト的にはあまり筆タイプと変わりません。
上の2種類以外にも、持ち運びに便利なハンディタイプもあります。
値段もお手頃ですが化学繊維やシリコン素材でできており、性能は少し低くなります。
2. 洗顔ブラシの効果
それでは、洗顔ブラシを使うと一体どんなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
手での洗顔だけではできないこともたくさんありますよ♪
① 毛穴の黒ずみまで落とせる
私たちの肌は一見つるんとしているようですが、実際には毛穴やシワなどの細かい凹凸があります。
手洗いだけではその奥に詰まった汚れを落とすのは難しいです。
洗顔ブラシの最大の特徴は、その細かい毛先で毛穴の奥までキレイにできるという点です。
毛穴の奥までキレイになると、洗顔後の化粧水や乳液の浸透率も上がります。
毛穴の黒ずみの正体は、毛穴に詰まった皮脂が酸化した「角栓」とよばれるものです。
パックなどで角栓を取ることもできますが、その場合無理矢理引きはがすような形になるので取った後の毛穴が広がってしまいます。
洗顔ブラシは無理に力を加えずに優しく洗い落とすことができるので、毛穴に負担をかけません。
鼻の毛穴は角栓ができやすく、角栓の目立つ鼻を「いちご鼻」なんて呼んだりしますよね。
気になるからと言って爪で押し出すなんて無理なことをしてはいませんか?
角栓を無理に押し出してしまうと、傷ができたりそこから雑菌が入り込んでニキビの原因になったり、毛穴が余計に目立つようになったりと悪いことだらけです。
洗顔ブラシは優しく角栓を取り除くことができますので、いちご鼻の解消にも効果的です。
② ピーリング効果
ブラシの毛先が肌表面を適度に刺激し、古い角質を落としてくれます。
古い角質が残っていると肌がゴワ付き、肌のくすみの原因になってしまいます。
洗顔ブラシを使用するとこでくすみが減り、肌がワントーン明るくなる効果が期待できます。
③ きめ細かい泡立ち
ブラシを使う洗顔に限ったことではありませんが、洗顔において大切なことは充分に泡立てることです。
自分の手で石けんを泡立てるのが苦手な方も、ブラシを使えば簡単にきめ細かい優しい泡を作ることができます。
きめ細かい泡は肌への刺激を和らげて、かつ肌の凹凸に入り込んでいきます。
また、すすぐときもスッと流れるので洗顔料が顔に残りにくくなります。
これらも、洗顔ブラシの高い洗顔効果の一端を担っていると言えます。
④ 顔全体をムラ無く洗える
手で洗うと無意識のうちに手癖が出て、指の力の入り方が均一にならないことがほとんどです。
そのため、Tゾーンは強く洗ったり生え際やこめかみは洗い方が甘かったりなど洗い方にムラができてしまうことが多くなってしまいます。
洗顔ブラシではブラシの毛束に持ち手からの力が均一に伝わるので、顔全体を一定の力でムラ無く洗うことができるのです。
3. 洗顔ブラシは肌に悪い?
「洗顔ブラシは肌に良くないという話を聞いたことがあるんだけど」・・・という方も多いと思います。
洗顔ブラシは元々欧米でブームが始まったもので、比較的肌への刺激が強い洗顔方法なのです。
乾燥肌や敏感肌の方が多い日本人の肌質には、確かに少し負担が大きいと言えるでしょう。
そのため、洗顔時間や頻度を考えて使用する必要があります。
ブラシでの洗顔の感覚が気持ちよくてついつい洗いすぎてしまう方も多く、その結果肌荒れや乾燥肌に悩まされてしまうこともあります。
しかし、使用方法に気をつけてさえいれば洗顔効果は手で洗うときの数倍にもなると言われており、きちんと医師監修のもとでオススメもされている美容器具の1つです。
口コミやブログなどで極端に批判されていることもありますが、偏見を持つことなく使用方法を守って正しく利用すれば、きっと満足いく効果が得られるでしょう。
4. 洗顔ブラシの注意点
① ゴシゴシこすらない
これは絶対守るようにしましょう。
洗顔ブラシ使用後のトラブルの原因はほとんどがこすりすぎだと言われています。
洗顔ブラシで洗うときの感覚は、手で洗うときと比べると肌に触れているなという感覚が少ないので、ついついブラシを強く押し当ててしまいがちです。
柔らかい毛先ではありますが、それでも強く押し当てると肌にダメージを与えてしまいます。
電動タイプは振動で汚れを落としますので、擦るというよりも顔の上を滑らせるイメージで充分です。
筆タイプも、顔を洗うというよりも顔の上の泡を転がすようなイメージでやるとちょうど良い力加減になります。
② 長時間使用しない
特に電動タイプの洗顔ブラシを使っているとマッサージのような感覚になり、気持ちよさからつい時間が長くなることがありますが、長時間の使用は肌への負担となり逆効果です。
同じ場所にかける時間は10秒~15秒、顔全体でも大体1分程度で終了するようにしましょう。
電動タイプの中には10秒ごとにアラームを鳴らせるものや1分の連続使用で自動終了するものなどがあります。
気持ちよくてもそこでやめるようにしましょう。
5. 洗顔ブラシの使い方
それでは洗顔ブラシの使い方を紹介していきます。
ここで紹介するのは一般的な手順ですので、既に洗顔ブラシを持っている方はその付属の説明書きの通りに使って下さいね。
①クレンジングでメイクを落とす
洗顔ブラシを使う際は、あらかじめクレンジングでメイクを落としておきましょう。
マスカラや口紅が残ったまま洗顔ブラシを使うと、洗顔ブラシ自体が汚れてしまいます。
それに、普段の洗顔では落とせない細かい汚れを落とすのが、洗顔ブラシの役割ですからね。
また、メイクを落とす前には手を洗い、手の雑菌が顔に移らないようにしましょう。
②顔と洗顔ブラシをぬるま湯で充分濡らす
肌が乾いた状態で洗顔ブラシを当てると傷つきやすくなってしまいます。
また、洗顔ブラシを充分濡らすことで、洗顔料が泡立ちやすくなります。
また、熱湯や冷水よりはぬるま湯の方が肌に負担をかけずに済みます。
③ 泡立てた洗顔料を顔にのせる
泡立ちが不十分なまま洗顔ブラシを使うと、ブラシが直接肌を刺激することになるので肌に大きなダメージを与えてしまいます。
必ず、しっかりと泡立てることが必要です。
筆タイプの洗顔ブラシの場合は手の平に洗顔料を乗せてぬるま湯を加えながら洗顔ブラシで泡立てて行きます。
石けんの場合は石けんの上にブラシで円を描くようにくるくる回しながら泡を作り、ある程度泡立ったら手の平に移してさらに泡立てるようにしましょう。
泡立てネットを使用して泡立てても良いですね。
電動タイプの場合は泡立てネットを使用して泡立てるようにしましょう。
筆タイプと同じように手の平で泡立てようとすると、洗顔料が飛び散ってしまうので注意しましょう。
ある程度大きな泡の塊ができたら、顔の上にのせていきます。
まず、おでこ・鼻・あご・両頬にのせてそこから顔全体に伸ばしていきます。
スクラブ系の洗顔料などどうしても泡立ちにくい洗顔料はそのまま顔の上にのせても良いですが、その際は洗顔ブラシを使う力加減に充分気をつけるようにしましょう。
なるべくならば、泡立ちやすい肌に優しい洗顔料を使用することをオススメします。
④ 洗顔ブラシで洗顔
濡れた洗顔ブラシで泡の上から肌に触れるか触れないかくらいの距離間で優しく洗顔します。
ブラシの毛が肌に垂直になるように意識して、決して押しつけすぎないように洗いましょう。
チクチクするような感じがあったり、ブラシの縁が当たったりするようでは力が強すぎです。
洗顔ブラシを使っているとはいえ気持ちはあくまで泡で洗う感じを心掛けましょう。
また、一カ所にかける時間は長くても20秒程度とし、顔全体も素早く1分くらいで洗い終えるようにしましょう。
乾燥肌や敏感肌の方でブラシを当てると痛みを感じる場合は、ブラシを使うのはTゾーン(おでこ・鼻)のみにして、後は手で優しく洗うと良いでしょう。
⑤ ぬるま湯で充分すすぐ
洗顔が終了したらぬるま湯で洗顔料をしっかりすすぎ落とします。
ここですすぎ残しがあると、せっかくの洗顔が台無しです。
生え際やこめかみ、あごの下までしっかりと流しましょう。
すすぎ終わったら清潔なタオルで顔を拭きましょう。
洗顔ブラシの使用後は肌が敏感になりやすいので、ゴシゴシと擦るのではなくポンポンと軽く顔を押さえるように水気を取ります。
⑥ 洗顔ブラシを洗う
忘れてはならないのは、使用後の洗顔ブラシをキレイに洗ってあげることです。
洗顔料が付いたままのブラシを放っておくと、次に使うときには雑菌まみれになってしまいます。
洗顔料がちゃんと落ちるまで水ですすぎ、軽く絞って毛を揃えて形を整えた後、ティッシュなど柔らかいもので軽く拭き取って乾かしておきましょう。
なるべく丁寧に扱ってあげることで洗顔ブラシは長持ちします。
洗顔ブラシは毎日使っていいの?
洗顔ブラシを用いた洗顔は慣れないうちは強くやり過ぎたり、また長くやり過ぎたりしてしまうものです。
洗顔後や次の日などに肌に違和感を覚えるうちは、やり方が不十分で肌への負担が大きいということですので、連続して洗顔ブラシを使用するのは控えましょう。
まずは週に1回程度から始めると、肌にとっても安心できるでしょう。
洗顔ブラシを使うとくすみが取れて肌が明るくなるので、嬉しくなって毎日やりたくなるかもしれませんが、肌にとっては少し刺激の強い洗顔法ですのでそこはぐっと我慢です。
慣れてきて肌の違和感がなくなってきたなら、頻度を少しずつ増やしていってもかまいません。
それでも毎日は多すぎるでしょう。
洗顔ブラシには角質を落とす効果がありますので、あまりやりすぎると肌のターンオーバーが早まり乾燥肌やニキビの原因になる可能性があります。
洗顔ブラシの乾かし方
洗顔ブラシは使用後に洗って乾かし、清潔に保つ必要があります。
しかし、とりあえず乾けばなんでもいいというわけではありません。
洗顔ブラシの乾かし方の原則は「陰干し」です。
ドライヤーや直射日光などで乾かしてしまうと、ブラシの毛の繊維が劣化し毛先が開いてきてしまいます。
洗顔ブラシは繊細なタッチで優しい洗顔をする必要がありますから、繊維の劣化は最小限に留めたいところです。
その点、陰干しは紫外線や熱風の刺激の影響がほとんどありませんので優しく乾かすことができます。
陰干しは屋内でも屋外でもかまいません。
屋外での陰干しは風通しも良く早く乾くのが特徴ですが、時間の経過による太陽の移動によって直射日光が当たらないように気をつける必要があります。
一方屋内での陰干しは風通しが悪くなりやすく、乾くのに時間がかかります。
濡れている時間が長いほど雑菌の繁殖は進みますので、可能ならば窓を開けて風を入れたりエアコンや扇風機で風を送ったりして風通しをよくしてあげるのが良いでしょう。
また、毎日洗顔ブラシを使用するという方も2週間に1回程度は2~3日使わない日を設けて、洗顔ブラシを完全に乾かしてあげると雑菌の繁殖が少なくなります。
洗顔ブラシの替え時
洗顔ブラシは消耗品です。
使っていくうちに毛先が開き、バサバサになってきます。
その状態で洗顔をしてしまうと、肌への刺激が強すぎて良くありません。
毛先の劣化が進むと使っているうちに急に肌への当たりがチクチクとしてきますので、そうなった時が洗顔ブラシの替え時です。
その頃には毛先の見た目も長さがばらつき出したり開き始めたりしてきます。
毛先の劣化が確認できたら、肌を守るためにも無視して使い続けないようにしましょう。
7. まとめ
いかがでしたでしょうか。
良くない評判を聞くと使うのをためらってしまうかもしれませんが、洗顔ブラシは使用法を正しく守っていれば肌をキレイに保つのにとても効果的な役割を果たしてくれます。
細かい汚れをしっかり落とすことで、普段使っている基礎化粧品は変えずともよりよい美容効果を得ることができるでしょう。
最近では洗顔ブラシのブームに伴い改良が進み、敏感肌の方向けの極細洗顔ブラシなども販売されています。
肌荒れが怖くて洗顔ブラシを使ったことのない方も、肌質にあったブラシを選んで一度試してみてはいかがでしょうか?