保湿ケアの正しい方法 |お肌の仕組みを理解して正しい保湿ケアにつなげましょう

「顔の保湿」「髪の保湿」「体の保湿」などなど、お店に行けば数多くの保湿商品が棚に並んでいます。

また、雑誌やテレビでも保湿に関する情報をよく目にするため「保湿は大事なこと」という認識は持っていると思います。

でも中には「なんで保湿した方がいいの?」「保湿化粧品を使っているのに肌が乾燥する」などの疑問や悩みを持っている方もいると思います。

この記事では、そんな疑問や悩みを解決できるように、保湿の必要性や保湿ケアの正しい方法についてご紹介していきましょう。

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1. 保湿ケアとは?

そもそも「保湿」とは、どのような意味をもつ言葉なのでしょうか?

辞書では「保湿」とは「湿度を一定の基準内に保つこと」となっています。

この意味を肌の保湿に置き換えると「肌の水分を一定内に保つこと」となります。

つまり保湿ケアとは「肌の水分を一定内に保つためのケア」だといえます。

そこでまずは、保湿ケアを行う上で欠かせないのがお肌の仕組みを知ることです。

扱うお肌の特性がどのようなものなのかを知ることで、効果的な保湿ケアができるようになります。

ここからは、少しお肌の仕組みをみていきましょう。

2. お肌の仕組み

肌の構造


出典:ito-medical-clinic.com

肌は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。

体の表面を覆い、体内を守るという重要な働きを担っています。

その中でも保湿ケアにもっとも関係が深い「表皮」の部分を取り上げてお話していきます。

表皮の構造と働き

表皮は肌の一番外側にあたる部分です。

● 表皮には4つの層がある

表皮は内側から「基底層」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層」「角質層」の4つの層からできています。


出典:clinicsophia.com

※手の平・足の裏のみ顆粒層と角質層の間に「透明層」があり、表皮に厚みを与えています。

● 表皮の厚さ

約0.2mmです。

● ターンオーバーを繰り返している

表皮は日々、新しい肌を生み出しています。

ふだん私たちが言う「肌」は主にこの表皮を指しています。

そして、表皮は一番内側にある基底層で生まれます。

基底層→有棘層→顆粒層→角質層と下から押し上げられていき、細胞はその居場所と姿を変えていくわけです。

角質層になった細胞は、命を失い死んだ細胞となります。

死んだ細胞は、新しく生まれてきた細胞に押し上げられ表面まで達すると、最後は垢となり剥がれ落ちていきます。

基底層で生まれ、最後は垢となって剥がれ落ちていくこの一連のシステムを「ターンオーバー」「肌の新陳代謝」と呼びます。

ターンオーバーについてはこちらの記事でも詳しく説明していますので、ご参考にしてください。

美肌ケアやニキビ跡の治療の際によく目にする「ターンオーバー」。ターンオーバーが不調だと、せっかくの日々のスキンケアの効果が無駄になる...

このターンオーバーは一般に約28日周期で行われます。

基底層から角質層に達するまでが約14日、角質層で剥がれ落ちるまでが約14日です。

私たちの表皮は約28日で、新しい肌へと入れ替えられているのです。

ここからは、この約0.2mmの表皮の層をさらに細かくみていきましょう。

① 基底層の働きと特徴

基底層の働きや特徴を見てみましょう。

● 表皮の細胞を生みだしている

ターンオーバーは基底層から始まり、基底層は表皮の細胞を生みだす働きをします。

何らかの外傷を受けても、基底層が壊されない限り肌は常に再生するので傷を治すことができるのです。

● メラノサイトが点在している

メラニン色素を作り出す細胞のメラノサイトが点在しており、紫外線などの刺激をうけるとメラニン色素を生成します。

② 有棘層の働きと特徴

● 表皮の中で一番厚い層

有棘層は表皮の中でも一番厚い層になります。

③ 顆粒層の働きと特徴

顆粒層には以下の働きや特徴があります。

●バリア機能

細菌や異物の侵入を防ぐ働きをしています。

例えば、紫外線も肌にとっては異物になります。

顆粒層にはガラス状の顆粒があり、紫外線を屈折させ深部に入り込むのを防いでいます。

また、角質層と協力しながら肌の水分が失われないようにする働きもあります。

● 保湿成分の生成

顆粒層は肌の潤いを保つために必要な保湿成分の「NMF」「細胞間脂質」を作り出しています。

④ 角質層の働きと特徴

● 死んだ細胞でできた層

角質層になる時に細胞は命を失います。

また、角質層の細胞を「角質細胞」と言い、ふだん私たちが「角質」と呼んでいるのはこの細胞のことです。

角質層は、角質細胞がレンガの様に積み重なってできています。

● 厚さ約0.02mm

角質層は非常に薄く、ラップ一枚分の薄さといわれています。

部位によって厚さは異なり、まぶたや唇は非常に薄く、足の裏は最も厚くできています。

● 水分量は約15~20%

角質層に含まれる水分量は約15~20%です。

水分量が10%を切ると、肌のつっぱり感やカサつきを感じるようになります。

一般的に「肌の水分量」「肌の水分」という場合、角質層の水分量・水分を指すことがほとんどです。

● バリア機能

角質層は肌の一番外側にあるため、表面は外部にさらされています。

体を守るために最前線で働く防御壁のようなものです。

外から細菌や異物や水分が体内に侵入するのを防いでいます。

また、体内の水分が外に逃げることも防いでいます。

この、入れない・出さないという二面性をもった機能を「バリア機能」といいます。

このバリア機能により角質層の水分量が約15~20%に保たれているのです。

● 3つの保湿因子

角質層の保湿に必要なものを「保湿因子」と呼びます。

角質層の水分量を左右するとても大切な要素です。


出典:moltolice.co.jp

【保湿因子① 細胞間脂質】

細胞間脂質とは「細胞」の「間」を埋める「脂質」のことです。

レンガのように積み重なっている角質細胞同士のすき間を埋めてくれています。

まるでレンガとレンガをくっつける、セメントのような役割をしています。

すき間なく埋めることで、角質層の水分を保持することができます。

そのため細胞間脂質が不足すると細胞同士にすき間ができ、角質層の水分が外に逃げて行ってしまい肌が乾燥してしまいます。

細胞間脂質は主成分であるセラミドやコレステロール、脂肪酸などで構成されています。

特にセラミドは強力な保湿力をもっていて、水分を挟み込むように保持してくれます

細胞間脂質はターンオーバーの過程で生成される物質ですが、ターンオーバーの乱れや加齢により減少してしまうこともあります。

【保湿因子② NMF(天然保湿因子)】

NMFは「Natural Moisturizing Factor」の略で日本語では「天然保湿因子」と呼びます。

角質細胞内にある水溶性の物質です。

吸湿性に優れていて、水分を抱え込むように保持してくれます。

天然保湿因子は、数種類のアミノ酸を主成分とし、乳酸、尿素、ナトリウムなどで構成されています。

天然保湿因子もターンオーバーの過程で生成される物質ですが、細胞間脂質と同様にターンオーバーの乱れや加齢により減少してしまいます。

【保湿因子③ 皮脂膜】

皮脂膜とは、皮脂と汗が混ざり合ってできた油性の膜のことです。

「天然のクリーム」といわれ、角質層の上から蓋をするように膜を張り、角質層の水分蒸発や異物の侵入を防いでいます。

皮脂や汗の分泌が減ると皮脂膜は不足しやすくなります。

以上、ここまで表皮を中心に働きや構造をみてきました。

少し難しい話になりましたが私たちの肌は、「水分を保持する成分(細胞間脂質・NMF)」「水分の蒸発を防ぐ蓋(皮脂膜)」によって保湿をしています。

ただ、ストレスや加齢・間違ったスキンケアなどにより水分の減少や蓋の不足がおきてしまい、乾燥を招いている方が多くいらっしゃいます。

「保湿ケア」は、その不足しているものを外から補いケアしていくことが基本となります。

3. 保湿ケアの効果

ここからは、保湿ケアをすることでどのような効果があるか見ていきましょう。

① ターンオーバーの促進

通常ターンオーバーは約28日ですが、加齢などによりターンオーバーは遅くなり、人によっては数か月かかることもあります。

ターンオーバーが遅くなると古くなった角質は剥がれ落ちることができず、ずっと肌に残っていることになります。

すると角質はどんどん水分を失い硬くなり、ますます剥がれ落ちにくくなってしまい肌のごわつきやシミ・くすみなど様々なトラブルを引き起こす要因になります。

保湿ケアをすることで硬くなった角質は水分を得て柔らかくなり、自然に剥がれ落ちやすくなりターンオーバーを促すことができます

② 乾燥肌・敏感肌の改善

乾燥肌・敏感肌の方は水分または皮脂(油分)、もしくは両方とも不足しているかもしれません。

乾燥している肌は「入れない・出さない」のバリア機能が低下しています。

そのため化粧品や紫外線などが入り込み過ぎてしまい、肌がしみたり、ピリピリしたりと敏感に反応しやすくなります。

角質層に保湿成分や油分を補い、水分を保持できる肌環境に整えることで乾燥肌や敏感肌を改善に導きます。

③ 乾燥によるくすみの改善

角質層が乾燥するとツヤがなくなり、肌全体がくすんで見えます。

角質層が潤っているほど、光を透過しやすく内側から明るく透明感のある肌になります。

④ ニキビの改善

肌は乾燥すると水分の不足を補おうとして、皮脂の分泌を増やします。

その過剰に分泌された皮脂がニキビを発生させる原因となってしまうのです。

保湿ケアで過剰な皮脂分泌を抑え、油分と水分のバランスを整えましょう

⑤ シワの改善

目元にできるちりめんジワや小ジワは、表皮にできるシワで、主な原因は乾燥です。

小ジワは保湿ケアで改善が期待できます。

このように、保湿ケアは様々な効果をもたらします。

肌トラブルの改善だけではなく、トラブルを起こしにくい肌にしてくれます。

では、どのように保湿ケアをしたらいいのでしょうか?

保湿ケアの正しい方法や注意点について見ていきましょう。

4. 保湿ケアの正しい方法

保湿ケアを行う上でのポイントは、肌への刺激を最小限に抑え、水分と油分を補っていくことです。

それでは、保湿ケアの順番と注意点を説明していきましょう。

① 洗顔をする

洗顔には肌の汚れを落とすだけではなく、古い角質を落としてくれる効果もあります。

● 洗顔料をしっかり泡立てる

泡立てネットを使い、ホイップクリームのようなキメ細かく弾力のある泡を作りましょう。

キメ細かい泡が毛穴の汚れもしっかり吸着してくれます。

洗顔が終わるまで、しぼんだり、へたったりしない泡が理想です。

● こすらない

摩擦は乾燥の原因になります。

手と肌の間の泡をクッションにしながら、こすらないように手早く泡を顔全体に広げましょう。

● 時間をかけない

顔全体に泡が広がったら、すぐにすすぎます。

洗顔に時間をかけ過ぎると乾燥の原因になります。

1分以内におさめましょう。

● しっかりすすぐ

洗顔料が残らないようにしっかりすすいでください。

両手でお湯をすくい、パシャパシャと顔にかけるようにしてすすぎます。

目安は20回以上です。

こすったり、シャワーを直接あてることはやめましょう。

刺激となり乾燥の原因になります。

お湯の温度は32℃が理想といわれていますが、いつもぴったり32℃は難しいですよね。

30~35℃を目安にすすぎましょう。

お湯というより、ぬるい水くらいの温度です。

高温のお湯は必要な皮脂やセラミドなどの保湿因子まで洗い流してしまうため乾燥の原因になります。

② タオルで水気をおさえる

清潔なタオルでこすらないように気を付けながら、水気を吸い取りましょう。

● 過乾燥に注意

肌を濡らす前よりも乾燥してしまう現象を過乾燥といいます。

肌についた水分が蒸発する時に角質層の水分も一緒に持って行ってしまうことで過乾燥が起きやすくなるのです。

例えば、乾いた唇を湿らそうと舌で舐めると余計に乾きませんか?

洗顔後や入浴後はこの現象が肌や髪にも起こりやすいので、水滴が残らないように拭き取りましょう。

③ 化粧水をつける

化粧水には角質層の水分を補う役割があります。

● 化粧水のつけ方

適量を手に取り、手全体で顔を包み込むようにハンドプレスしながら顔全体に化粧水を浸透させていきます。

目元や鼻などの細かい部分は、指の腹で優しく入れ込んでいきます。

同様に2~3回重ねづけしましょう。

ただ、化粧水が肌の上に残り過ぎていると過乾燥を招きます。

化粧水が肌に残らないように、しっかり浸透させましょう。

肌がひんやりして、手に吸いつくような柔らかさがでたらOKです。

● 使用量の目安

目安としては、500円玉大の量を2~3回に分けて重ねづけしていきます。

肌の状態によっては2~3回では足りないこともあります。

物足りなさを感じた方は重ねづけの回数を増やしてください。

● こすらない・叩かない

摩擦やパンパン音がする程の強いパッティングの刺激は乾燥の原因になります。

また、コットンを使用する際はこすらずに軽くパッティングしてあげましょう。

④ クリームをつける

クリームには、油分を補う役割があります。

また、角質層の水分が蒸発しないように蓋となり肌を保護してくれます。

● クリームのつけ方

適量を手に取り、額・顎・両頬に点在させるようにのせていきます。

手に残ったクリームを手で温めるように馴染ませてから、顔にのせたクリームを顔の中央から外側へと顔全体に優しく伸ばします。

その後、顔を手全体で包み込むようにハンドプレスしてムラなく馴染ませましょう。

こすったり、すり込む必要はありません。

● 使用量の目安

商品によりテクスチャーが異なるため、使用量に差があります。

まずは商品に記載されている量を目安にしてみましょう。

クリームは油分を多く含んでいます。

そのため、つけ過ぎるとベタつきやテカリの原因になります。

また、余分な油分が酸化してニキビや肌荒れの原因になることがあります。

逆にクリームの量が少なすぎると、肌に蓋ができず保湿ケアの効果を感じにくくなってしまいます。

目元や口元など乾燥が気になる部分は重ねづけをしてテカリやすいTゾーンなどは薄く塗るなど、部分によって量を調節してみましょう。

クリームをつけた直後の感触よりも、少し時間をおいた時にベタつきやカサつきが出なければ適量だといえます。

その他の化粧品の使い方

● 乳液

水分と油分を補います。

化粧水とクリームの中間のような存在です。

【使い方とオススメな人】

「化粧水→乳液→クリーム」と油分の少ないものからつけていきます。

化粧水とクリームだけでは保湿が足りないと感じる方にオススメです。

クリームだと油分が多くてべたつく方は「化粧水→乳液」の順番で試してみてください。

● 美容液

美容成分や栄養成分などの有効成分が濃縮して配合されたアイテムです。

保湿・美白・目元用・アンチエイジングなど、目的に特化した商品が多いのが特徴です。

プラスαのスペシャルケア的な存在です。

【使い方とオススメな人】

使い方は商品によって異なりますので、商品に記載されている使い方に沿って使用してください。

気になる肌トラブルがある方やそれらを予防したい方にオススメです。

保湿ケアに効果的な成分

化粧品選びの参考にしてみてください。

● セラミド

私たちの肌でも生成されている成分ですが、ターンオーバーの乱れや加齢にともないセラミドは減少していきます。

セラミドは非常に優れた保湿力をもった成分です。

化粧品に配合されているセラミドは、生成方法により表記が異なります。

オススメは、商品の成分表示で「セラミド1」などとセラミドの後に数字があるものです。

特に数字が1・2・3・6のいずれか、もしくは全部が入ったものは保湿ケアに効果的です。

● ヒアルロン酸

本来は私たちの肌の真皮にある成分ですが、角質層の保湿にも効果的です。

ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸1gで6Lもの水分を保持できるという高い保湿力が特徴です。

セラミドに比べると原価が安いため、コストパフォーマンスに優れた成分です。

● コラーゲン

コラーゲンも真皮にあり肌のハリや弾力に関わる成分ですが、残念ながら化粧品に含まれるコラーゲンは真皮には届きません。

コラーゲンも保湿成分として多くの化粧品に使われている成分です。

ここまで、保湿ケアのやり方や保湿成分についてみてきました。

保湿ケアといっても、皆さんが普段やっているスキンケアの工程とほぼ同じではないでしょうか?

保湿ケアの効果を出すためのポイントは「何をやるか」ではなく「どうやるか」です。

そしてより効果を高めるために保湿に有効な成分を含む化粧品を選びましょう。

正しいやり方でケアを続けていれば、きっとお肌の変化を感じられるようになるでしょう。

5. 保湿ケアにおすすめの化粧品

EGF エクストラエッセンス

人気成分「EGF」を配合した美容液の「EGF エクストラエッセンス」です。

日本EGF協会認定の製品です。

EGFは日本語で「上皮細胞成長因子」や「上皮細胞増殖因子」といわれます。

EGFを発見した生物学者は、ノーベル賞も受賞しているという凄い成分です。

表皮の細胞を活性化させ、乱れたターンオーバーを整えてくれます。

その他にも、

  • 乾燥肌
  • ハリ弾力がない
  • 肌荒れやニキビ
  • シミやくすみ
  • キメの乱れ

に効果が期待でき、究極のエイジング成分でこれらの改善とお肌全体の底上げができる高機能美容液です。

普段お使いの化粧品にプラスするだけで、ワンランク上のケアができるのでおススメです。

EGF エクストラエッセンスの公式サイト
EGF エクストラエッセンスをAmazonで見る

5. まとめ

保湿ケアについて、お肌の構造やお手入れ方法などを見てきましたが、いかがでしたか?

わずか0.02mmほどの薄さの角質層が、私たちの肌の健康や美しさに大きな影響を与えています。

そのため、保湿ケアはとても大切になります。

保湿ケアの正しいやり方を身につけ、乾燥や肌トラブルにも負けない美しい肌を手に入れましょう。

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