大人のあごニキビの原因と治し方|顎にできるニキビの対処法

あごニキビは、男性なら思春期ニキビ、女性なら大人のニキビができやすい部位です。

あごは皮膚の中でもターンオーバーが遅く、ニキビ跡が残りやすいのが厄介なところです。

また、あごには汗を分泌する汗腺はほとんどありませんが皮脂を分泌する皮脂腺は多く存在しているため、他の部位に比べて皮脂詰まりを起こしやすいうえ、悪化するケースも多いといわれます。

また、あごは男性ホルモンの影響を大きく受ける部位ともいわれています。

あごの周辺には、さまざまな要因が複合的にかかわってニキビができているのです。

スポンサーリンク

1. あごニキビの原因

① 生理前後の男性ホルモンの分泌の増加によるホルモンバランスの乱れ

まず、男性ホルモンを少し見てみましょう。

男性ホルモンの「アンドロゲン」は、身体の皮脂全体の約50%に相当する「トリグリセリド(中性脂肪)」の分泌を促す作用を持つことが医学的に証明されています。

それだけでなくアンドロゲンの作用は角化細胞を増やし、肌の角質を増やしすぎる「角化異常」という状態を作って、毛穴が角栓によってふさがれる可能性を高めてしまうのです。

男性ホルモンのアンドロゲンは、皮脂全体の約5割に相当するトリアシルグリセロール(トリグリセリド)の分泌を促進してしまうことは医学的にハッキリしています。さらに、アンドロゲンは角化細胞(ケラチノサイト)の増殖を促し、肌の角質を増やしすぎる“異常角化”という状態をつくって、毛穴が角栓によって塞がれる可能性を高めてしまうのです。
引用:aizawa-hifuka.jp

そして毛穴が詰まり、そこに皮脂が溜まるとできるのがニキビです。

女性の場合は生理前になると、男性ホルモンの働きに似た性質を持つ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が分泌され、ホルモンバランスが乱されます。

このプロゲステロンは、皮脂分泌を促す作用を持ち、特に生理周期に働きが活発化して皮脂分泌を促します。



出典:nourish.toyobiyo.jp

この時期に肌が脂っぽくなったりするのはこのためで、過剰に分泌された皮脂が毛穴を詰まらせあごニキビの原因を引き起こすことがあります。

あごは男性であればヒゲが生える部位であることにも表れているように、男性ホルモンの影響を受けやすい部位です。

そのため、男性ホルモン過多の状態が続くと、あごは皮脂の過剰分泌や角質層の角化異常を促すといった影響を強く受けてしまいます。

男性の場合はヒゲが生えている(生えてくる)おかげで、体毛の成長と一緒に余分な角栓・皮脂が外に押し出されてきますが、女性の場合はもともと肌の毛穴があまり開いていないので、角栓や皮脂が皮膚の内側に溜まってしまい、ニキビができやすいのです。

② メイク汚れや洗顔料のすすぎ不足と洗い残しなどで、毛穴に洗浄剤の残りが溜まる

ニキビをできやすくする、外的な刺激の代表とも言える原因が洗い残しです。

顔の他のパーツにできるニキビにも同じように言えることですが、メイク汚れをきちんと落とせていない・洗顔料を十分に洗い流せていないことがきっかけで、毛穴に汚れや洗浄剤の残りが溜まることも、あごニキビができやすくなる原因となります。

メイク汚れはきちんとクレンジングを行わないことが原因で洗い残しになりやすくなります。

洗顔料のすすぎ洗いが不十分で、生え際やフェイスラインやあごに泡が残ったままになっていたりはしませんか?

特にあごは水分などがつたわり落ちてきて、留まりやすい部位です。

また、クレンジングや洗顔に手を抜いてしまいやすい部位でもあります。

③ 皮脂分泌量が増えることで皮脂汚れが溜まり、毛穴に詰まる

先にも述べましたが、女性ホルモンのプロゲステロンは「黄体ホルモン」とも呼ばれ、妊娠に備えて子宮内膜を厚くして子宮の準備を整える働きをします。

プロゲステロンの働きのうちに皮脂を分泌する作用があります。

皮脂分泌を促す作用は肌や髪にツヤやハリを与えることにもなる大切な働きですが、その分泌量が過剰になると、余分な皮脂が肌に溜まることにもなってしまいます。

そのため皮脂汚れが出やすくなり、それが肌に溜まって毛穴に詰まることが、ニキビのできる条件を整える結果につながってしまうわけです。

④ 緊張などによる強いストレス、それによって引き起こされる寝不足

心身の緊張やストレスは、ニキビの原因になります。

その場合、あごニキビとなってできることが多く、そして治りにくい場合もあります。

ストレスであごニキビができる場合は、

  • 引っ越し・異動などで物理的な生活環境が変わった時
  • 問題を抱えて深く悩んでいる時
  • 交代制勤務などの不規則な生活や夜型の生活をしている時
  • ニキビが長期間治らないこと自体

などが挙げられます。

外部から強いストレスを感じると、反射的に防衛本能が働き、人間の心身は緊張状態になります。

これは、自律神経の交感神経が優位になることで起こる状態です。

自律神経はホルモンと密接にかかわっています。

交感神経が活発になると、男性ホルモンが分泌され、皮脂の分泌量が多くなり脂っぽい肌になったり、肌が硬くなって皮脂が詰まりやすくなったりします。

こうしてあごニキビができやすくなるというわけです。

また、ストレスで緊張状態が続いていると、寝不足になりやすくなります。

先にも書きましたが、交感神経が優位になるのが緊張状態です。


出典:michiwaclinic.jp

逆に、リラックスをもたらす神経は副交感神経ですが、交感神経が優位に立って副交感神経が圧倒されていると、心身は緊張や興奮を鎮めることができず、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりして寝不足になっていきます。

そして寝不足は肌のターンオーバーの乱れを招くので、古い角質が代謝されずに皮膚に溜まっていき、それが毛穴をふさいでニキビができやすくなる原因となるのです。

⑤ 身体の冷え、ホルモンバランスの乱れでの皮脂の過剰な分泌

女性のあごニキビの原因には、女性特有の悩みの一つでもある「冷え」がかかわっています。

具体的には、

  • 季節に関係なく冷たいものを摂り過ぎる
  • ムリなダイエットによる身体のエネルギー不足
  • 肌の露出の多い服を着たりなどの薄着、特に下半身の薄着
  • お風呂はシャワーだけで済ませたり、運動不足による血行不良

などが、身体が冷える主な原因に挙げられます。

そして、身体が冷えると血行が悪くなり毛細血管も狭まるので、栄養分が体内細胞へ運ばれにくくなります。

すると新陳代謝が低下してターンオーバーが乱れ、古い角質が肌に厚く溜まって行くことで毛穴をふさぎ、あごニキビの原因となります。

他には、冷えが原因でホルモンバランスが乱れ、皮脂分泌が増えることも原因となります。

身体の特に下半身の冷えは、婦人科系の冷えにつながると言われます。

漢方では「冷えは足元から上ってくる」とも言われます。

生理不順の原因や生理痛の重みが増すのと同じ理由でもあります。

子宮や卵巣が冷えると、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、あごから首にかけての皮脂分泌が活発になるので、あごニキビができやすくなります。

⑥ 頬杖をつくなど、頻繁にあごを触るクセがある

すでにニキビができているその人本人の行動が、ニキビを悪化させている場合もあります。

頬杖をつく、頻繁にあごを触ったりニキビをいじっていたりするなどのほか、携帯電話を使っている間に知らず知らずのうちに接触していたりなどの行動に覚えはありませんか?

肌はそういった外的な刺激を受けると、防御反応が働いて角質層を厚くさせます。

それがあごニキビのできる原因となったり悪化を招いたりします。

また、手やモノに付着している汚れに無頓着になっていませんか?

思いのほか手やモノは汚れています。

汚れた手が触れることであごニキビが悪化する原因にもつながるのです。

※あごニキビには、赤くてポツッとしたニキビとは異なり、触ると硬いしこりのようなニキビができることが多いのも特徴です。このようなニキビは「硬結(こうけつ)ニキビ」と呼ばれていて、あごによくできるものでもあります。頬杖をつくクセを持つ人は肌に刺激を与え過ぎないよう要注意です。

2. あごニキビの治し方

あごニキビは、ストレスや生活習慣によるホルモンバランスの乱れが大きくかかわっているため、生活習慣を根本的に見直す必要があります。

① 生活習慣を見直す

あごニキビを改善するには、生活習慣全体を見直す必要があります。

人間の身体は本来、早寝早起き、栄養バランスの良い食事、適度な運動によって正常に機能するようにできています。

  • 早起きのために夜更かしは控える
  • 偏食をしない
  • 食べ過ぎない
  • 早食いをしない
  • 身体をこまめに動かす

など、できるだけ規則正しい生活を送るようにしましょう。

そして意外な盲点ですが、虫歯があごニキビの原因となる場合があります

虫歯があるのに放置したりすると、口内に膿(うみ)が溜まったり、ガスが発生したりします。

虫歯の周りに溜まる毒素は体外へ排出されにくいため、ムリヤリにでも外に出そうとした結果が、あごニキビとなって現れてくるのです。

お口の中の健康のためにも、虫歯がないかをこまめにチェックしましょう。

② 適度な運動や入浴を習慣にして身体の冷え対策を行う

あごニキビの原因には、身体の冷えが大きくかかわっています。

その改善のために、具体的には以下のような点に注意すると良いでしょう。

  • 水分補給の際には冷たいものをできるだけ控える。一気飲みは避け、常温や温かい飲み物を少しずつ摂るようにする。水分の過剰摂取も冷えの原因になるので要注意。
  • 適度な運動を行って血行不良を改善する。体力に左右されずにできるヨガやストレッチ、ウォーキングなど、日常に取り入れやすい方法がおススメ。
  • 身体が冷えの影響をできるだけ受けないような服装を工夫する。
  • 入浴の際、シャワーだけで済まさずに湯船に浸かることを習慣にする。また、熱すぎないお湯にゆったり浸かることが簡単にリラックスできる。

などが挙げられます。

冷えから身体を守ったり温めたりするのは、緊張状態になっている心身をほぐして血液の流れをスムーズにすることになります。

新陳代謝も良くなり、冷えの防止につながるのです。

③ 肌の保湿ケアを怠らない

あごニキビは、不規則な生活習慣が主な原因です。

生活のリズムが崩れ、身体の不調を招くとその影響は肌へも及びます。

不調によって肌が荒れ、保湿が十分でなくなると乾燥を招き、その状態が続くと角質が厚くなっていきます。

すると角質層が硬くなってしまい、角栓による毛穴の詰まりが起こることでニキビとなるため、肌の保湿ケアを怠らないことが大切です。

まずは毎日の皮脂汚れやメイク汚れをきちんとクレンジングして落としましょう。

なにより自分の肌質に合った洗顔料を選び、しっかり泡立てた泡でやさしく洗顔をしましょう。

ゴシゴシとこすり洗いをすると、毛穴の汚れが取れないだけでなく、肌の表面の皮脂を余分に取り除いてしまうことにもなります。

つまり「肌がつっぱった」状態となるわけです。

そして洗顔後のケアも怠らずに行いましょう。

洗顔後すぐに、たっぷりと化粧水を肌にパッティングします。

洗顔後は毛穴が開き、汚れのない状態になっています。

その状態を逃さず化粧水をたっぷり肌に含ませることで、保湿効果がグンと上がります。

水分を含んだ肌の「蓋」には、ニキビケア用に特化した保湿クリームを使うとより効果的です。

手持ちの乳液やクリームなどでも大きな問題はありませんが、必要以上なケアとなってしまう場合もあります。

④ リラックスのために「深呼吸」を習慣にする

深呼吸は自律神経を整えるのにとても有効で手軽な方法です。

日常生活において、あごニキビに大きな影響を与えるのは自律神経の働きです。

大切なことなので繰り返しますが、自律神経は人間の生命維持のために休みなく働いている神経です。

身体を活動的にする交感神経と、リラックス作用を持つ副交感神経とで成り立っています。

交感神経が優位になる大きな原因は、心身の緊張です

ストレスや緊張を感じると交感神経が優位になり、それを和らげようとして抗ストレスホルモンが分泌され、さらにそのホルモンが男性ホルモンの分泌も促します。

その結果、ホルモンバランスの乱れや皮脂の過剰な分泌が起こり、あごニキビができやすくなったり悪化につながったりします。

できてしまったあごニキビを改善するには、意識的に副交感神経の働きを優位にして、リラックスした生活を心がけましょう。

リラックスのために手軽にできる対処法が深呼吸です。

時間や場所を選ばずできるため、自分が思いついた時に行うと良いでしょう。

初めのうちは意識的に行う必要がありますが、一旦身に着くと無自覚で行うようにもなれます。

浅い呼吸はそれ自体がストレスとなります。

また、現代は無自覚に浅い呼吸へ傾きがちになる環境に取り巻かれています。

深い呼吸を意識して行い、リラックス作用のある副交感神経を刺激しましょう。

3. まとめ

ニキビのできる原因が外的な刺激によるよりも、内的な要因が大きく影響するのがあごニキビです。

そのため、生活習慣を見直すことが大切なポイントになります。

ストレスを受けて心身が緊張した状態になっていないかを振り返ってみると、改善策が見えてくるはずです。

自律神経のバランスを崩さないよう規則正しい生活を心がけるようにし、ホルモンバランスが安定する手助けをしましょう。

それこそが、あごニキビを治す根本的な方法と言えます。

スポンサーリンク

シェアする

スポンサーリンク