背中は自分では見にくくてお手入れもしにくい場所です。
顔のスキンケアは念入りにするけど・・背中のケアは・・・
- 背中がカサカサしてかゆい
- ニキビができている
- ブツブツ・ザラザラしている
などなど意外に悩みの多い場所です。
なかでも厄介なのが背中のニキビです。
「ニキビがなかなか治らない」
「治ってもまたできてしまう」
「背中のあいた服や水着を着たいのにニキビが気になる」
という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな背中ニキビの原因と改善方法をお伝えしていきます。
原因と適切なケアの仕方を知り、背中美人を目指しましょう。
1. 背中にニキビができる原因
背中も顔もニキビができるメカニズムは同じです。
「毛穴が詰まる ⇒ 皮脂が溜まる ⇒ 毛穴内部でアクネ菌が増殖する ⇒ 炎症を起こす」
というサイクルになります。
つまり、背中ニキビができるスタート地点は「毛穴の詰まり」となります。
では、なぜ毛穴が詰まり炎症が起きてしまうのか。
背中にニキビができる原因を具体的に見ていきましょう。
① 皮脂の過剰分泌
もともと背中には皮脂を分泌する皮脂腺が多く存在しています。
さらに皮脂腺は毛穴内部に皮脂の出口が開口しています。
そのため皮脂が過剰に分泌されると皮脂の排出が追いつかず、毛穴に皮脂が溜まり詰まりの原因になります。
さらにここでは皮脂を過剰分泌させてしまう、いくつかの要因をあげていきます。
● ホルモンバランスの乱れ
皮脂分泌に大きく関係するホルモンが「男性ホルモン」です。
男性ホルモンは皮脂の分泌を促進させ、角質を厚くし角栓の形成を促進させます。
ストレスや睡眠不足・体の冷えなど体や脳が緊張状態にあると自律神経の交感神経が優位に働きます。
この交感神経が男性ホルモンの分泌を刺激するため、皮脂の分泌が過剰になります。
さらに月経前は女性ホルモンの一種である黄体ホルモンの分泌が増加します。
この黄体ホルモンは男性ホルモンと似た働きをするため皮脂の分泌が促進されてしまいます。
● 食生活の乱れ
お肉や乳製品・ケーキやチョコレートなどに多く含まれる動物性脂肪は皮脂腺を刺激し皮脂分泌を促進させます。
他にも、白米や小麦粉・ジャガイモやポテトチップスなど糖質を多く含む食品は「高GI食品」といわれ、食後の血糖値を急激に上昇させてしまう食品です。
糖質を多く含む食品を摂取することで、私たちの体は上昇した血糖値を下げるためにインスリンというホルモンを分泌します。
このインスリンが分泌される時に皮脂腺が刺激され皮脂の分泌が促進されてしまいます。
② 背中の乾燥
健康な肌は皮脂と水分のバランスがよく、しっとりと滑らかでトラブルが起きにくい状態です。
肌が乾燥するとそれを補おうとして皮脂の分泌が促進されてしまいます。
また乾燥した肌は角質が硬くなり毛穴を詰まらせる原因になります。
不規則な生活や加齢、日焼けなどにより肌のターンオーバーが乱れると肌は乾燥しやすくなります。
③ アクネ菌の増殖
アクネ菌は常在菌の一種で誰の肌にでもいる細菌です。
「ニキビ菌」と呼ばれる事もあり、赤ニキビの原因になる菌です。
ただし、アクネ菌はいつも悪さをしているわけではありません。
肌を弱酸性に保つお手伝いをしてくれる大事な菌です。
アクネ菌の特徴は「皮脂が大好物」で「酸素が大嫌い」です。
そんなアクネ菌が快適に住みつくことができる場所・・・それは毛穴です。
しかも詰まっている毛穴は酸素を避ける事ができ、たっぷり皮脂が溜まっていてアクネ菌にとって絶好の住処となります。
そうなるとアクネ菌は毛穴の中でどんどん増殖していき、その結果毛穴の中で炎症を起こし赤ニキビが出来上がります。
炎症がひどいと膿が溜まってしまうこともあります。
本来、健康な肌はPH4.5~PH6.5の弱酸性に保たれています。
細菌の多くは酸性の環境に弱いため、人間の肌は弱酸性に保つことで菌の増殖を防いでいるのです。
しかし、背中には汗を出す汗腺が多く存在しています。
そのため汗を多量にかくと肌のPHがアルカリ性に傾いてしまいます。
そうなると菌が増殖しやすい環境となってしまい、アクネ菌の増殖につながってしまうのです。
④ 衣類と肌の摩擦やシャンプーなどの洗い残し
- 衣類による蒸れや摩擦
- ボディタオルや垢すりなどによる摩擦
- 洗髪の時に背中に流れたシャンプーやトリートメント剤の洗い残し
- ボディソープ・石鹸の洗い残し
- 洗濯用洗剤・柔軟剤の成分
これら外からの刺激によっても肌は乾燥したり、毛穴の詰まりを起こします。
⑤ マラセチア毛包炎
長期間ニキビに悩まされ、なかなか改善されないそのニキビはもしかしたらマラセチア毛包炎かもしれません。
マラセチア毛包炎とは、マラセチア菌というカビの一種による毛穴に起こる皮膚トラブルです。
マラセチア菌も常在菌で、増殖することで症状が現れます。
実は背中ニキビを含め、体にできるニキビの原因はマラセチア菌によるものが多いと言われています。
皮脂と湿気を好むマラセチア菌にとって、皮脂腺・汗腺の多い背中は好条件といえます。
アクネ菌による背中ニキビと比較するとあまり痒みや痛みを伴わないという特徴があります。
症状の見た目としては光沢のあるブツブツが毛穴にできます。
やや小さく均一な発疹が、群発して多数できる特徴もあります。
マラセチア毛包炎は自然治癒の可能性が低いと言われています。
気になる方は皮膚科を受診しましょう。
2. 背中ニキビの治し方
これまで見てきたように背中ニキビができる原因はさまざまです。
いくつかの原因が重なり合ってニキビができている可能性も高いといえます。
原因が分からず「どうすればいいの?」という方。
まずは背中ニキビに適したケアや留意点を見ていきましょう。
今日からでも取り入れられるケアがあるはずです。
① 保湿ケア
肌の乾燥は皮脂の分泌を促進します。
また、角質が硬くなり毛穴の詰まりの原因になるため、顔のスキンケアと同じようにしっかり保湿をしてください。
乾燥しているからといって油分の多いクリームを使用すると毛穴が詰まる原因になるので要注意です。
化粧水~保湿ジェルなどで水分補給をメインにケアしましょう。
アルコールを多量に含むものは肌が乾燥しやすくなるため、こちらも要注意です。
化粧水や保湿ジェルに含まれるおすすめの成分
● セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸
これらの保湿成分は乾燥で硬くなった角質を柔らかくし、毛穴の詰まりをケアします。
● ビタミンC誘導体
皮脂の分泌を抑制し、ニキビ跡、色素沈着の改善と予防の効果が期待できます。
● グリチルリチン酸
炎症を抑える効果があります。
背中は自分では手が届きにくい場所です。
化粧水をスプレーボトルに入れ替えシュッシュしたり、保湿効果のある入浴剤を使うと簡単なのでオススメです。
② 食生活
背中ニキビの改善と予防にはバランスのよい食生活が欠かせません。
お肌の材料となるたんぱく質やビタミン・ミネラルなどをしっかり摂りましょう。
糖質・脂質の摂り過ぎは、皮脂の分泌を促進させるので気をつけましょう。
おすすめの栄養素
● ビタミンB2(レバー・卵・納豆・玄米・乳製品・たらこ・いくら・のり)
「美容ビタミン」と呼ばれるほど美容に関係が深いビタミンで、次のような効果があります。
- 肌の新陳代謝を高め、肌や粘膜の健康を保つ
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝を高める
- 皮脂の分泌を抑制する
糖質の多い食事はビタミンB2を大量に消費するので、しっかり補いましょう。
アルコールはビタミンB2の体内への吸収を阻害するため、飲酒される方も不足に注意です。
● ビタミンB6(にんにく・まぐろ・鶏ささみ・レバー・きなこ・豆類・バナナ・ごま)
肌の新陳代謝を高める働きをします。
- 脂質、たんぱく質の代謝を高める
- 皮脂の分泌を抑制する
● ビタミンC(緑黄色野菜・果物・のり・いも類)
- 皮脂の分泌を抑制する
- ニキビの炎症を抑える
- メラニンの生成を抑制しニキビ跡、色素沈着の改善と予防
- コラーゲンの生成を助け、ニキビ跡の凹凸の改善と予防
ストレス、喫煙によりビタミンCは大量に消費されます。不足しやすい栄養素なのでしっかり補いましょう。
● ビタミンA(にんじん・かぼちゃ・うなぎ・レバー・青しそ・春菊・小松菜)
- 肌の新陳代謝をたすけ、肌と粘膜の健康を保つ
- 肌の潤いを保つ
● ミネラル類
カルシウム・マグネシム・亜鉛・鉄などのミネラル類はホルモンバランスを調整し、肌の新陳代謝をたすけてくれます。
また、ビタミンやミネラルは単体ではなく色々な栄養素と一緒に摂取することで効果を発揮し、相乗効果も期待できます。
色々な食品をバランス良く摂取する食生活を心がけましょう。
補助としてサプリメントを取り入れても良いでしょう。
③ ストレスをためない
ストレス社会といわれる現代ですが、強いストレスや慢性的にストレス状態が続いていると自律神経のバランスが乱れやすくなります。
自律神経にはストレス時に優位に働く「交感神経」と、リラックス時に優位に働く「副交感神経」があります。
この2つがバランスを取りながら、常に体内の機能をコントロールしています。
ストレスを受け交感神経が優位に働くと皮脂の分泌は促進されます。
また、肌の新陳代謝が落ちるため乾燥や毛穴の詰まりが起きやすくなり、背中ニキビの原因になります。
ストレスをため込まないように上手に発散させましょう。
「上手に発散させましょう」と言われても何をすれば良いか分からないという方はこちらを試してみてください。
交感神経優位(ストレス状態)から、副交感神経優位(リラックス状態)にする方法
自律神経は自分の意思でコントロールすることはできません。
ただ、物理的に体を副交感神経が優位の状態にしてあげることで、バランスが整いやすくなります。
【腹式呼吸】
3秒かけて鼻から息を吸い、7秒かけて口から吐きます。
息を吐く行為は副交感神経を優位にします。
吸うことよりも、しっかりと吐ききることを意識してください。
リラックスしたい時や就寝前に、数回~10回ほど行うのがオススメです。
【入浴】
38〜40度のお湯にゆっくり浸かり体を温めてください。
体が温まり血行が良くなると、副交感神経が優位な状態になります。
42度以上の熱いお湯だと、交感神経が優位になってしまうので注意です。
疲れている時ほど、夜はゆっくりお湯に浸かりましょう。
④ 日常生活を改善する
● シャンプーやトリートメント剤が背中に残らないようにする
シャンプーに含まれるシリコンが毛穴の詰まりの原因にもなるため、しっかり体を流しましょう。
● 肌への摩擦を避ける
肌への摩擦は乾燥の原因になります。
ボディソープや石鹸はしっかりと泡を立て、綿のボディタオルや手で優しく洗いましょう。
その際、ボディソープや石鹸の残留がないようによく流してください。
しっとり系のボディソープは、しっとり感を残すために油分が多く含まれています。
気になる方は固形の石鹸を試してみるのも良いかもしれません。
● 入浴時のお湯の温度に気を付ける
熱いお湯は乾燥の原因になるので気を付けましょう。
38~40度が理想ですが、冬場など高温のお湯を使用した時は入浴後しっかりと保湿ケアをしてください。
● 下着や衣類は通気性の良いものを選ぶ
ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は、摩擦や蒸れがおきやすい素材です。
通気性がよく、肌触りもよい綿やシルクが良いでしょう。
● 寝具やパジャマを清潔に保つ
人は寝ている間にも汗をかきます。
汗がしみ込んだ寝具やパジャマは菌が繁殖しやすくなるのでマメに取り変えましょう。
● 規則正しい生活を心がける
夜更かしは自律神経を乱します。
しっかり睡眠をとることで成長ホルモンの分泌が増え、肌をつくり傷の修復などをしてくれます。
まさに「肌は夜つくられる」ということです。
睡眠の質を高める方法については、こちらの記事もご参考にしてみてください。
おすすめの背中ニキビ用ケアスプレー
あいび メルシアン
トレハロースやアーティチョークエキスなどの美容成分配合の背中ニキビ用スプレーです。
逆さ噴射も可能なのでお手入れしにくい場所でも使用できます。
ベタベタする感じもなく、しっとりした使い心地で広範囲のニキビに悩む方にもオススメです。
⇒背中ニキビ対策なら「メルシアン」
3. まとめ
ここまで背中ニキビの原因や改善方法を見てきましたが、いかがでしたか?
背中ニキビは体の中、体の外さまざまな要因が組み合わさってできています。
そのため改善と予防をしたいなら、体の中と外からのケアが必要です。
健康な肌を作る基本は食事です。
食生活を見直し、日常生活の中での意識を変えることで背中ニキビを改善し、ニキビのできにくいお肌に変えていけます。
まずはできる事から始めてみましょう。