紫外線が気になる季節になり、そろそろ日焼け止めの購入を考えている方も多いのではないでしょうか。
日焼け止めを選ぶ時のポイントにはSPF数値が挙げられます。
何となく、数値が大きいほうが日に焼けないような気がするものですが、この数値は一体何を表しているのでしょうか。
今回はSPFの数値の意味について見ていきましょう。
1. SPFとは?
① 紫外線B波を防御する
SPFはSun Protection Factor(紫外線防御指数)を略したもので、特に紫外線B波を防ぐ効果があります。
日に当たると肌が赤くなったり炎症を起こしたようにヒリヒリすることがありますが、これが紫外線B波の影響によるものです。
また、過剰なメラニン色素を生成する働きもあります。
通常、ターンオーバーによって排出されるメラニン色素ですが、ターンオーバーが正常に行われていない肌で色素沈着を起こしてしまうとシミやソバカスの原因となります。
また、皮膚ガンの原因になるとも言われ肌に強い影響を与えます。
紫外線B波は室内に入ったり日傘を差すなど比較的簡単に避けることができます。
② 紫外線A波はPA値で表される
紫外線にはB波の他にA波もあります。
肌表面に影響を及ぼすB波に比べ、A波は肌の奥に浸透ししわやたるみなど老化を招きます。
A波は窓ガラスを通過するという特徴があり、室内にいても影響を受ける可能性があります。
この紫外線A波を防御する効果はPA(Protection grade of UVA)という数値で表されます。
2. SPF30と50の持続時間の違い
① 紫外線の影響を遅らせる
SPFが紫外線B波から肌を守る指数であることが分かりました。
次に、SPFの後に表示されている数値の意味について見ていきます。
人の肌は、紫外線を浴び始めてから20分程度で赤みが出る・ヒリヒリするなどの影響が出始めます。
「その時間を何倍引き延ばせるか」が数値で表されています。
例えばSPF30だと20分×30=600分となり、日に当たり始めてから10時間は紫外線の影響をうけないことになります。
SPF50は1000分、16時間以上は日に当たっても大丈夫という計算になります。
② 日に当たる時間だけでなく、シチュエーションによって使い分けも
「紫外線は一年中降り注いでいる」ということをご存知の方は多いと思います。
しかし、真冬に長時間日に当たっていても「肌が赤くなる」という症状も起こりにくく、冬場に日焼け止めを塗る方は少ないでしょう。
一年中降り注いでいる紫外線でも年間を通して同じ強さというわけではないのです。
紫外線が弱い時期や曇りの場合は肌に影響を及ばすまでの時間も長くなり、逆に紫外線が強い時期は少しの時間でも日焼けをしてしまうことがあります。
このように、日に当たってから肌に影響が出始めるまでの時間は、シチュエーションによって異なってくる可能性があります。
同じ「一日を外で過ごす」という場合でも、天候や季節による紫外線量の違いを考慮してSPF値を選ぶようにしましょう。
3. SPF30と50の効果の違い
このSPF30とSPF50という2つの日焼け止めですが、実は数値が違うだけでなく配合されている成分にも違いがあります。
では、それぞれどのような成分が紫外線を防ぐのかを見てみましょう。
● SPF30
「紫外線散乱剤」を配合していることが多く、紫外線を反射・拡散することで肌への影響を遅らせることができます。
肌への負担が小さく、効果が長く続くのがメリットです。
しかし、「ベタベタした感触で白浮きしやすい」「汗で流れやすい」というデメリットがあります。
● SPF50
高い数値の日焼け止めは、紫外線を防ぐ力の大きい「紫外線吸収剤」が配合されている製品がほとんどです。
紫外線を吸収し、化学反応を起こして熱エネルギーに変えて放出します。
紫外線を防ぐ効果は強いですが、肌の上で化学反応を繰り返すため肌への負担が大きくなります。
また、何度も化学反応を起こすことで日焼け止めとしての効果が弱くなるため、こまめに塗りなおす必要があります。
無色でなめらかな塗り心地が特徴のため、不快感は少ないでしょう。
4. まとめ
SPF30と50には効果が続く時間の他にも、使われている成分・紫外線を防ぐ方法にも違いがあることが分かりました。
普段は肌に優しいSPF30、夏場のレジャーではしっかり紫外線を防いでくれるSPF50と、シチュエーションによって使い分けてみてはどうでしょうか。
また、どちらの日焼け止めも、一度塗っただけでは効果が弱まる可能性があることも分かりましたね。
こまめに塗り直すことで日焼け止めの効果を持続させ、白い肌をキープしましょう。