肌を美しく保つために、毎日の洗顔は欠かせません。
しかし、一般的な洗顔料に使われている洗浄成分では落としきれない汚れがあることをご存知でしょうか?
通常の洗顔料に使われている界面活性剤は、肌の表面にある汚れや皮脂を浮かせて洗い流しますが、毛穴に詰まった汚れや不要になった角質を除去することはできないのです。
この落としきれない汚れや角質がニキビやくすみの原因となります。
では、一体どのように洗顔をおこなえば毛穴の汚れや古い角質を除去できるのでしょうか?
今回は、通常の洗顔料では落としきれない角質や皮脂などを酵素の働きで除去する洗顔方法「酵素洗顔」についてご紹介します。
1. 酵素洗顔とは
酵素洗顔は、酵素の働きによって通常の洗顔では落とせない古い角質や皮脂を除去する洗顔方法です。
「毛穴の黒ずみが消えない」「なんとなく肌がくすんで見える」といった悩みに効果を発揮します。
酵素洗顔料には、タンパク質や皮脂を「分解する酵素」と「除去する酵素」の2つの酵素が含まれています。
この2つの酵素によって古くなった角質や毛穴に詰まった皮脂など、通常の洗顔料では落としきれない不要なものを除去することができるのです。
「汚れを洗い流す」というよりは「ダメージを受けた肌をひと皮剥く」というイメージで、洗顔後はざらつきやくすみが一掃され、なめらかな明るい肌に生まれ変わります。
また、酵素洗顔料には植物由来の酵素が使われることが一般的で、酸性の薬剤を使って古い角質を溶かすピーリングに比べると肌への刺激が少ないことも特徴です。
2. 酵素洗顔の効果
① ターンオーバーを正常化する
肌の角質は一定周期で行われる「ターンオーバー」によって新しいものへと生まれ変わるようになっています。
しかし、加齢やホルモンバランスの乱れによってターンオーバーの周期が乱れ、古い角質がいつまでもお肌の表面に残ってしまうことがあります。
厚く硬くなってしまった角質は通常の洗顔料で落とすことが難しく、肌のざらつきやくすみ、また毛穴を詰まらせてニキビの原因となってしまいます。
そんな古い角質を、肌から浮かせて除去してくれるのが酵素洗顔料に含まれるタンパク質分解酵素です。
酵素の働きで古い角質が無くなれば、その下から新しい角質が現れ、肌は柔らかく明るい印象へと変わります。
酵素洗顔を繰り返すことで、肌を本来のターンオーバーの周期に戻すことができるというメリットがあるのです。
② 化粧水が浸透しやすくなる
ターンオーバーが乱れて厚く硬い角質が除去されない状態だと、せっかく使っている化粧水や美容液も角質層に浸透しにくく、乾燥肌の原因となってしまいます。
酵素洗顔で古い角質が除去されれば、柔らかい角質へ保湿成分や美容成分がしっかり浸透し、高価な化粧水や美容液を使わなくても潤った肌を実感できるでしょう。
③ 毛穴に詰まった角栓を除去
酵素洗顔には毛穴に詰まった角栓を除去する働きもあります。
小鼻などの毛穴に詰まったポツポツした物体が気になることはありませんか?
これは過剰に分泌した皮脂や古い角質・汚れが混ざりあってできたもので、指でギュウギュウ押して取ろうとしたり、毛抜きで引っ張り出そうとすると肌を傷めてしまうこともあります。
皮脂だけなら通常の洗顔料を使って正しく洗顔を行えば除去できますが、角栓のやっかいなところは古い角質が混ざっている点です。
角質はタンパク質でできているため、皮脂を分解する成分だけでは取り除けません。
酵素洗顔料には皮脂だけでなくタンパク質を分解できる酵素も含まれるため、この角栓を解消することもできるのです。
3. 酵素洗顔のデメリット
不要な角質や毛穴に詰まった汚れを除去してくれる酵素洗顔ですが、デメリットもよく理解したうえで使用してください。
肌はもともとタンパク質でできています。
酵素洗顔料に含まれる「タンパク質や皮脂を分解・除去する酵素」は、不要な角質や皮脂を分解・除去することもできますが、一方で必要な皮脂までも除去してしまい、肌のバリア機能を弱めて敏感肌や乾燥肌になってしまう恐れがあります。
使用する時は、肌の様子をみながら自分に合った使い方をしましょう。
赤みが気になったり乾燥がひどくなった場合はすぐに使用を中止してください。
また、酵素洗顔料に含まれるパパイン酵素は人によってはアレルギーを引き起こす可能性もあります。
「植物由来」という言葉に安心せず、注意して使うようにしましょう。
4. 酵素洗顔の注意点
① 酵素洗顔の頻度
どんな酵素洗顔料でも、初めは週1回の使用から始めましょう。
肌の様子を見ながら、慣れてきたら週2〜3回と回数を増やしていくことをおすすめします。
必要以上に酵素洗顔を行うと、乾燥肌や敏感肌の原因となってしまいます。
② 洗顔後はお肌をいたわりましょう
酵素洗顔で余分な皮脂を取り除いた肌は乾燥しやすくなっています。
ヒアルロン酸などの保湿成分が配合された化粧水でしっかりと保湿をしましょう。
肌が乾燥すると、それを防ごうと皮脂が過剰に分泌され、ニキビができてしまうこともあるので注意が必要です。
③ 紫外線対策を忘れずに
厚い角質が取り除かれた直後は、紫外線からお肌を守るバリア機能が弱くなっています。
そのため、紫外線対策は欠かせません。
できれば酵素洗顔は夜におこない、紫外線にしばらく当たらないで済むようにすると安心ですね。
5. 酵素洗顔のやり方
酵素洗顔といっても、特別な方法があるわけではありません。
「しっかり泡立てる」「洗う順番を守る」など通常の洗顔方法と同じような点に気をつけて行うだけで、いつもと違うなめらかな肌を実感できるでしょう。
① 洗顔の前に手を洗う
洗顔の前に手を清潔にし、雑菌が顔へ付着するのを防ぎましょう。
② ぬるま湯で顔をすすぐ
酵素洗顔の前に、肌の表面についたほこりや汚れを洗い流しておきましょう。
お肌を温めることで毛穴が開き、汚れを除去しやすくする効果もあります。
③ しっかり泡立てる
1回分の洗顔料を手のひらに取り、少しずつぬるま湯を足しながらよく泡立てます。
しっかり泡立てずに洗顔すると、刺激が強すぎて肌を傷めてしまう可能性もあります。
泡立てネットなどを使うことで簡単にモコモコの泡をつくることができます。
④ 皮脂の多い部分から洗顔
泡を作ったら、まずは皮脂の分泌が多いTゾーンやあごから洗顔していきます。
皮脂の少ない場所を先に洗ってしまうと泡が肌に触れている時間が長くなり過ぎてしまい、必要な皮脂まで分解してしまいます。
乾燥肌にならないためにも洗う順番には気をつけましょう。
泡を乗せたら、肌の上でクルクルと泡を転がすように洗います。
決して指でゴシゴシ擦らないように気をつけて下さい。
次に、頬を洗顔します。
目の周りや口の周りは皮膚が薄く敏感な場所なので、最後に泡を乗せます。
この部分はこすらず、泡を乗せるだけでOKです。
⑤ しっかりすすぐ
洗顔が終わったら、ぬるま湯ですすぎます。
髪の生え際や小鼻なども泡が残らないよう丁寧にすすぎます。
古い角質がなくなって肌は敏感な状態なので、熱いお湯は使わないようにしましょう。
⑥ 清潔なタオルで押さえるように水気をふき取る
洗顔後に顔を拭くときは、タオルを顔に押し付けるようにして水気を吸い取ります。
古い角質が無くなって敏感になっている肌をゴシゴシ擦ってはいけません。
また、肌のバリア機能も弱くなっているため、雑菌の少ない清潔なタオルを使いましょう。
6. 酵素洗顔料やパウダーの選び方
通常の洗顔料では落とせない汚れを除去してくれる頼もしい酵素洗顔料ですが、肌質によって何を重視して選ぶのかがポイントになります。
肌質の判断方法についてはこちらでも詳しく説明しています。
オイリー肌・普通肌の方
皮脂の量が多いオイリー肌の方や適度な皮脂量の普通肌の方は酵素の洗浄力を最大限に発揮できる個包装タイプのパウダーを選びましょう。
酵素は水に溶かした状態で保存すると、皮脂やたんぱく質を分解する力が弱くなってしまうという特徴があります。
酵素洗顔の効果を最大限に発揮するために多くの酵素洗顔料が水分を含まないパウダー状で販売し、水と混ざりあった直後に洗顔できるようにしてあるのです。
さらに、1回分ずつ個包装になっているパウダーを選ぶと、湿気を吸って劣化するのを防ぐこともでき、使うたびに酵素の効果を実感できるでしょう。
固形石鹸や個包装されていないパウダーだと、開封してしまうと水分を吸収しやすくなり、酵素の力が弱くなってしまうことがあります。
乾燥肌の方
酵素洗顔の後は、肌が乾燥しやすい状態にあります。
普段から乾燥肌の方は、セラミドやコラーゲンなどの保湿成分が配合されている洗顔料をえらぶことをおすすめします。
混合肌の方
「Tゾーンはべたつくけど口周りはカサカサ」というような混合肌の方は洗顔の方法に注意して下さい。
皮脂量の多い箇所は泡を転がすようにしっかりと洗顔し、乾燥している箇所は泡を乗せたらすぐにすすぐと良いでしょう。
敏感肌の方
皮脂量の多い方でも乾燥肌の方でも、外部からの刺激に敏感な肌の方は配合されている酵素の種類に注目しましょう。
洗顔料によって使われている酵素にも違いがあります。
多くの酵素洗顔料に「パパイン酵素」が使われていますが、これは人によってはアレルギーを引き起こす成分となり注意して使用する必要があります。
一方、「プロテアーゼ」や「リパーゼ」といった人と同じ酵素が配合されている洗顔料もあり、こちらは肌への刺激が少ないという特徴があります。
また、肌のバリア機能をサポートするアミノ酸系の洗浄成分が配合されていると少ない刺激で洗顔を行うことができます。
人の肌は弱酸性を保つことで外部からの刺激や雑菌の繁殖を抑えています。
ところが、一般的に使われている洗浄成分はアルカリ性のものが多く、肌へ大きな負担がかるためバリア機能の低下や乾燥を招くことになってしまいます。
アミノ酸系の洗浄成分は肌に近い弱酸性のため負担や刺激が少なく、肌に優しい洗顔が行えます。
ただ、「アミノ酸系」といっても成分表示には「ベタイン」「ココイル」と表示され、とても分かりにくいのが難点です。
パッケージに「アミノ酸系洗浄成分使用」など分かりやすく表示してある洗顔料を選ぶと安心ですね。
おすすめの酵素洗顔パウダー8選
6. まとめ
化学物質を使うのではなく、植物由来や人と同じ成分で洗顔できる酵素洗顔。
初めての方でも挑戦しやすい洗顔方法といえるでしょう。
通常の洗顔では落とせないくすみや毛穴に詰まった角栓を酵素の力ですっきり洗い流して、自慢できるツルツル肌を目指しましょう。