日焼け止めのSPFとPAの意味と違いとは?|SPFとPAの使い分けの基準

紫外線から身を守るためのUVケアは、今や欠かせない美容の常識になってきています。

みなさんも当たり前に日焼け止めを塗って外出していることと思います。

ところで、日焼け止めの製品をよく見てみると「SPF」「PA」という文言が全ての商品に書いてあります。

この違いについて、みなさんはきちんと理解していますか?

SPFとPAの意味を正しく理解して使わないと、上手にUVケアができないだけでなく、逆に過剰なUVケアで肌に余計な負担をかけるだけになってしまうことも。

そこで今回は、日焼け止めの「SPF」と「PA」について分かりやすく解説していきます。

そして、それを踏まえた上で日常の色んなシーンに合わせた最適なSPFとPAの使い分けについても紹介します。

ぜひ参考にして、正しいUVケアでしっかり肌を守ってあげましょう。

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1. 紫外線の種類

SPFとPAの違いを知るには、まずは紫外線の種類について押さえておく必要があります。

紫外線には大きく「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があり、それぞれ肌に与える影響が微妙に異なります。


出典:implant-tokyo.com

まずはこれらの紫外線の違いについて順に詳しく見ていきましょう。

① UV-A(紫外線A波)

UV-Aは紫外線の中でも波長の長いものを指し、肌の奥にある真皮にまで到達する貫通力が特徴になります。

また、窓ガラスや雲も貫通してしまうので、仮に直射日光を遮っていても浴びてしまうというのがUV-Aの恐いところです。

肌表面にダメージを与えて赤くするというよりは、肌の奥深くにダメージを与えてシワやたるみ、黒ずみを作り出す効果が高いと言われています。

つまり、肌老化の原因となる紫外線ということです。

② UV-B(紫外線B波)

UV-BはUV-Aよりやや波長が短い紫外線で、貫通力は弱く、肌の表面に作用するのが特徴になります。

直射日光を遮ればほとんど浴びることはありませんが、浴び続けると日焼けによる肌の赤みや日焼けが原因のシミやそばかすが生じやすくなってしまいます。

UV-Bは簡単に言えばいわゆる日焼けの原因になる紫外線です。

③ UV-C(紫外線C波)

UV-CはUV-Bよりもさらに波長が短い紫外線で、貫通力はほとんどありませんが、浴びすぎると皮膚病の原因になってしまうと言われています。

基本的には地球を覆っているオゾン層を通り抜けることができず、ほとんどが地上にまでは届きません。

しかし、近年はオゾン層の破壊などが問題となってきていますし、将来UV-Cに悩まされる時代もくるかもしれません。

このように、普段一緒くたにすることが多い紫外線ですが、実は種類がありその性質も微妙に異なっているのです。

そのため日焼け止めもその性質に合わせて選択する必要があり、その選択の基準となるのが「SPF」と「PA」ということになります。

ここらは本題の「SPF」とPA」の意味と違いについて説明していきます。

SPFとPAの意味と違い

SPF

「SPF」は「Sun Protection Factor」を略したもので、「UV-B」をどれだけ防いでくれるかの指標になります。

また、日焼けめにはSPF30やSPF50のように、SPFのあとに数字が書いてありますよね。

この数字が大きい方が紫外線をよりカットするんでしょ?と単純に考えがちですが、実はもう少し複雑な意味があるのです。

SPFのあとに来る数字の意味は「紫外線を浴び始めてから赤くなるまでの時間を数字の分だけ倍に遅らせることができる」というものになります。

少しかみ砕くと、人は紫外線を浴びるとだいたい15分から25分程度で紅斑という赤い斑点が出始めますが、その時間をSPFのあとに来る数字を掛けた分だけ引き延ばせるということです。

それでも少し分かりにくいと思うので具体例で説明します。

例えば、日焼けまで20分かかる方がSPF30の日焼け止めを塗っていたとしたら、日焼けまでかかる時間を20分×30=600分=10時間まで引き延ばせるということになります。

もし10分で日焼けするという方なら、同じ日焼け止めを使っていたとしても10分×30=300分=5時間までしか引き延ばすことができません。

確かに数字が大きいほど紫外線に対する防御力は高まりますが、解釈としては「数字が高いほどより強い紫外線を防げる」というよりは「数字が高いほどより長く紫外線を防げる」という方が正しいと言えます。

PA

「PA」は「Protection grade of UV-A」を略したもので、「UV-A」をどれだけ防いでくれるかの指標になります。

市販されている日焼け止めには、PAのあとには「+」から「++++」までの4段階の記述がありますが「+」の数が多いほどUV-Aに対する効果が高くなっています

PAの「+」の数もSPF同様、UV-Aを防ぐ時間の長さとして考えると良いですね。

SPFとPAの違いについて、なんとなくお分かりいただけたでしょうか。

つまり、外出する時期や時間などに合わせて、SPFやPAの値を使い分けていく必要があるということです。

続いては、具体的にどうやって使い分けるのが賢い使い方なのかを紹介していきます。

3. SPFとPAの使い分けの基準

ここからは、日常によくある具体的なシーンに合わせて、SPFとPAの強さをどう使い分けて行けば良いのかを紹介していきます。

晴天の中、長時間スポーツやレジャーを楽しむ場合

屋外スポーツやバーベキュー、海水浴、試合観戦などのときには、数時間以上直射日光に晒されますよね。

こういう場合にはSPF50、PA+++以上の日焼け止めがオススメです。

ちなみに、SPFはあくまで日焼けまでの時間を引き延ばすというものなので、SPF20程度のものでもこまめに何度も塗り直すことができるならば充分に日焼け止め効果を得ることができます

「炎天下に出ることが分かっているけど日焼け止めは低SPFしか持ってない」という方も、レジャーの内容によっては高SPFの日焼け止めを買い直す必要はないかもしれません。

また、高SPFの日焼け止めは肌に対する刺激も高く、敏感肌の方などでは肌に合わない場合も多いです。

そういった場合も、低SPFのものをこまめに塗り直すことで、低刺激ながらも日焼けをしっかり防ぐことができるのでオススメです。

注意して欲しいのは、日焼け止めは汗や海水などで容易に落ちてしまうということです。

最近ではウォータープルーフなど撥水効果の高い製品も増えてきていますが、高SPF、高PAの日焼け止めを塗ったからもう大丈夫だと安心せず、気がついたらこまめに塗り直すことが非常に重要です。

屋外での軽いスポーツ

ジョギングなど、1~2時間程度の屋外に出るという場合には、SPFは20~30、PAは++~+++程度で充分日焼け止めを防止できます

紫外線の種類の中でも少し触れましたが、UV-Aは雲も貫通して私たちの肌に届きますので、曇りの日だからといって油断せず、きちんと日焼け止めを塗りましょう。

夏場の曇りならPA+++、春秋の涼しい曇りでもPA++程度のUVケアは必須です。覚えておきましょう。

UV-Bがピークを迎えるのは5月から8月のいわゆる夏ですが、UV-Aは2月から10月くらいまで安定して降り注いでいます。従って、ほとんど一年通してPAの対策は必要なのです。

ゴミ捨てや買い物、洗濯物を干すなどの短時間の外出

ほんの少しの外出でも日焼け止めをしておくのがベターです。

日々浴びている紫外線の蓄積が、将来のシミやシワ・そばかすの原因になってしまうからです。

数十分以下の外出ならば、SPFは10~20、PA+~++程度の優しい日焼け止めでも充分ですので、忘れずに塗っておくことをオススメします。

最近ではベースメイクに日焼け止めの成分が入っているものもありますので、そういったメイクをしておくのも手軽でオススメです。

日中の屋内

室内にいるから日焼け止めは全く必要がない、と思ってはいませんか?

先に述べたように、UV-Aは窓ガラスを貫通して室内に入ってきます。

カーテンを開けて窓際で作業をしているときや車の運転中などは、UV-Aに関してはほとんど外にいると変わりないと言っても良いくらいなのです。

従って、日中にそういう時間があると予測される場合にはやはり事前に日焼け止めを塗っておくことをオススメします。

強さは季節や天候に合わせて、PA++~+++あたりから選ぶと良いでしょう

ちなみにこの場合は直射日光による紫外線(UV-B)をほとんど浴びないので、SPFはあまり関係ありません。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

日焼け止め売り場に行けばSPFとPAの組み合わせがたくさんあり、どれを買えば良いのか悩んでしまいますよね。

今回の内容を押さえておけば、自分のレジャー目的に合わせてちょうど良い日焼け止めをパッと選べると思います。

しかし、SPFやPAの効果が高いからと油断してはいけませんよ。

日焼け止めは汗などで落ちやすいので、こまめに塗り直すことを忘れないようにしましょうね。

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