「ほうれい線」この言葉を聞くだけで、つい自分の顔を鏡でチェックしたくなりませんか?
中には「見たくもない!!」と思う方もいるかもしれません。
ほうれい線の嫌なところは、ズバリ!老けて見えるからです。
とある企業が20~40代の男女を対象に「女性の見た目から年齢を判断するポイント」という意識調査を行った結果、堂々の第一位がほうれい線でした。
さらに、ほうれい線が1cm伸びると見た目年齢が6才アップするという結果も出たそうです。
例えば、イラストに描かれた若い女性の顔にほうれい線というたった2本の線を書き足すだけで、一瞬で老けさせることができます。
この恐ろしいほどに女性を老けさせる力を持っているほうれい線を
「少しでも薄くしたい」
「これ以上、目立たせたくない」
という方は、ほうれい線ができる原因を理解することが大切です。
原因を知り正しくケアをしていくことで、ほうれい線の改善と予防ができます。
この記事では、ほうれい線ができる原因と解消方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. ほうれい線ができる原因
ほうれい線とは小鼻の脇から唇の両端にむかって「ハ」の字に伸びている2本の線のことで、専門用語では鼻唇溝と呼ばれています。
ほうれい線は口周りの筋肉と頬にある筋肉の境目にあたる部分で、もともと誰にでもある構造上の溝です。
そのため、骨格や筋肉のつき方などで10~20代の方でも確認できることがあります。
ただ若い方のほうれい線は溝が浅く、肌にハリがあり頬もぷっくりと高い位置でキープされているためあまり老けた印象は出ません。
このように、ほうれい線があっても、他のパーツの状態やほうれい線の深さなどによって顔の印象は異なります。
ここからは、ほうれい線ができる原因を深さ別に見ていきましょう。
① 浅いほうれい線ができる原因
● 肌の乾燥
加齢とともに肌は乾燥しやすくなりますが、若くても様々な要因で肌の乾燥が進むとほうれい線ができる原因になります。
肌の一番外側にある角質層の乾燥が原因の、いわゆる小ジワです。
間違ったスキンケアやターンオーバーの乱れ、空気の乾燥などにより肌の水分量が低下すると現れやすくなります。
洗顔やスキンケア後、マスクで湿度が保たれていたりすると目立たなくなる方は、乾燥が原因の可能性が高いです。
● むくみやコリ
血液やリンパの流れが悪くなり、老廃物や余分な水分がスムーズに排出できなくなるとむくみが起きます。
むくみの正体はほとんどが水分です。
顔に溜まった余分な水分の重さで肌が下垂し、ほうれい線部分に段差が生まれてしまいます。
顔のむくみが起きる原因としては
- 冷え症
- 運動不足
- 肩こりや首のこり
- ストレスや疲労
- 寝不足
- アルコール、カフェイン、塩分の取り過ぎ
などがあります。
特に気を付けたいのが、うつむいた姿勢でスマホを長時間操作する行為です。
長時間うつむいた姿勢でいると、首前面の筋肉が収縮した状態でこり固まってしまいます。
首と顔の筋肉は繋がっているため、首の筋肉によって顔の筋肉が下に引っ張られ、顔全体のたるみにつながります。
たるんだ皮膚がほうれい線の溝に覆いかぶさり、ほうれい線が目立つようになります。
筋肉のこりは、むくみやたるみを引き起こし、結果としてほうれい線を目立たせる原因になるので注意しましょう。
● 悪い姿勢や日常の癖
猫背やいつも同じ方で噛むなど、筋肉の使い方が偏っている方も要注意です。
筋肉のアンバランスは骨格の歪みにつながり、ほうれい線を目立たせる原因になります。
片方だけほうれい線が目立つなど深さや長さに左右差がある場合は、骨格の歪みや筋肉のアンバランスが原因のひとつだと考えられます。
また、ついついやってしまう頬杖も骨格の歪みや皮膚のたるみの原因になるので直すように意識しましょう。
20~30代前半くらいの方に出るほうれい線は、乾燥による小ジワであるケースが多いです。
ほうれい線の原因が肌の表層にあるため、スキンケアや生活習慣、日頃の癖を見直すことで改善が期待できます。
ただ、放っておくと深いほうれい線へと移行してしまうので油断はできません。
ほうれい線が気になったらすぐにケアを始めることが大切です。
② 深いほうれい線ができる原因
深いほうれい線ができる大きな原因はたるみです。
たるみがほうれい線に覆いかぶさることで深い溝ができます。
さらに、たるみが大きいほど溝との段差が大きくなり、ほうれい線部分には影ができやすくなります。
その影がより一層ほうれい線を深く凹んだ溝に見せてしまいます。
恐らく多くの方が「どうにかしたい!」と思っているほうれい線はこちらのタイプで、小ジワとは違うまさに本物のほうれい線といったところです。
私たちの顔には皮膚・筋肉・骨があり、その位置関係は外側から
になっています。
たるみは真皮、皮下組織、筋肉といった肌の深い部分でおこります。
これらの部分が変性したり衰えることがたるみの原因です。
では、たるみの3大原因を詳しく見ていきましょう。
● 真皮の衰え ~コラーゲン・エラスチンの変性と減少~
真皮は上にある表皮を支える皮膚の土台部分です。
繊維芽細胞が作り出すコラーゲンやエラスチンによって、肌にハリと弾力を与えています。
ところが、繊維芽細胞は20代半ばをピークに減少していきます。
繊維芽細胞の活動も低下していくため、コラーゲンやエラスチンの生成が減少し肌のハリや弾力が失われていきます。
また、紫外線などによって発生した活性酸素がコラーゲンやエラスチンを変性させます。
コラーゲンやエラスチンは本来もっていた弾力やしなやかさを失い硬く変質するため、たるみや深いシワの原因になります。
肌の老化の原因は「加齢による自然老化が2割」「紫外線による光老化が8割」と言われています。
紫外線は繊維芽細胞の数も減らしてしまうため、紫外線対策を怠ると若くても肌の老化が進んでしまうので注意が必要です。
● 皮下組織の衰え ~皮下脂肪の減少・増加・肥大化~
頬のたるみは、ほうれい線に直結します。
頬は顔の中でも脂肪が多い場所ですが、一般では加齢とともに頬の脂肪は減少すると言われています。
脂肪が少なくなることで余った皮膚がダブついてしまい皮膚のたるみがおきます。
皮下脂肪は肌に厚みやクッション性をもたらしてくれるため、年齢を重ねた時に顔に適度な脂肪がある方が肌はふっくらとして若々しい印象にしてくれます。
ただ、多すぎると脂肪の重さを支えることができなくなり脂肪ごと下垂してしまいます。
また、むくみは皮下脂肪が余分な水分を貯め込み肥大化することでおこります。
加齢とともにおこる代謝の低下で顔の脂肪が肥大化することも、たるみの原因になります。
● 表情筋の衰え
表情筋は眉や目、頬や口などを動かし顔に表情を作り出す筋肉です。
体を動かす筋肉は骨と骨をつないでいます。
一方、表情筋はこのように「骨 ← 表情筋 → 皮膚」骨と皮膚をつないでいます。
表情筋が収縮して皮膚が引っ張られることで、細かい様々な表情を作り出すことができます。
胸の筋肉が衰えると胸が下垂するのと同じで、表情筋が衰えると顔の脂肪や皮膚を支えることができなくなり重みで下垂してたるみが出ます。
表情筋が衰える原因としては
- 加齢
- 表情が乏しい
- 無表情でいることが多い
- 笑顔が少ない
- 口数が少ない
- 歯ごたえのある物を食べない
など、表情筋の運動量が少ないと衰えてしまいます。
特に頬にある「大頬骨筋」「小頬骨筋」「上唇挙筋」「上唇鼻翼挙筋」や口の周りにある「口輪筋」などの衰えがほうれい線と深く関係しています。
このように、ほうれい線を作るたるみは様々な原因によっておこります。
たるみは老化現象のひとつでもあるため、年齢を重ねれば重ねるほど複数の原因が同時進行していると考えられます。
肌の老化は20才を過ぎたら始まると言われています。
少し前は25才がお肌の曲がり角と言われていたのに・・
そして、恐ろしいことに、どんどん低年齢化してきています。
老化を止めることはできませんが、その発生時期や老化スピードは遅らせることはできます。
老化が進むとシワの要素も加わって、よりほうれい線が目立つようになります。
そのため、ほうれい線の解消や予防にはエイジングケアを中心に生活習慣や日常の癖の見直しが大切です。
2. ほうれい線の消し方・解消方法
① スキンケアと紫外線対策
エイジングケアの基本は保湿です。
小ジワも乾燥が原因なので深いシワになる前に保湿ケアで改善しましょう。
保湿ケアについてはこちらの記事を参考にしてください。
エイジングケアにおすすめの化粧品成分には
- ビタミンA誘導体(レチノール)
- ビタミンC誘導体
- フラーレン
- プラセンタ
- アスタキサンチン
などがあります。
これらには抗酸化作用があるため、肌を活性酸素による酸化から守ってくれるアンチエイジング成分です。
また、EGFやFGFは肌細胞や繊維芽細胞の増殖を促す効果があります。
肌機能の底上げをサポートしてくれる成分です。
アンチエイジング成分は美容液など濃度の高いアイテムで取り入れるのがおススメです。
そして、もうひとつ絶対に欠かせないのが紫外線対策です。
紫外線は、肌だけではなく体の中から老化させてしまいます。
季節や天候に関係なく、紫外線には注意しましょう。
今お使いの日焼け止めは、ご自身の活動レベルに適していますか?
こちらの記事で確認しておきましょう。
② 食生活の改善
エイジングケアは体の中からのケアも大切です。
食事で意識したいポイントは
- 良質なたんぱく質をとる
- 肌の代謝を高める食品をとる
- 肌の酸化を防ぐ食品をとる
です。
● 良質なたんぱく質をとる
コラーゲンやエラスチンはたんぱく質でできています。
また、肌もたんぱく質でできているため美肌・エイジレスな肌作りには欠かせない栄養素です。
たんぱく質はアミノ酸がつなぎ合わさってできた物質です。
私たちの体では主に20種類のアミノ酸の組み合わせの仕方によって、異なる種類のたんぱく質が作られています。
この20種類のうち体内で作ることのできないアミノ酸が9種類あり、それらを必須アミノ酸と呼んでいます。
必須アミノ酸は体内でたんぱく質を作るために欠かせない栄養素です。
9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれている食品を摂ることで、体内で十分なたんぱく質を生成することができます。
必須アミノ酸は体内で作ることができないため、食事で摂取する必要があります。
そこで、食事をする時に意識したいのが「アミノ酸スコア」です。
アミノ酸スコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸がバランス良く含まれているかを示す指標です。
必須アミノ酸がバランス良く含まれているほどアミノ酸スコアは高くなり、その食品は良質なたんぱく質だと言えます。
アミノ酸スコアの高い食品には
- 卵
- 大豆
- 牛乳、ヨーグルト
- アジ、鮭、イワシ、カツオ、カレイ、マグロ、かつお節
- 豚肉、鶏肉、牛肉
などがあります。
忙しい朝や仕事の合間での昼食がパンやおにぎりだけなど炭水化物に偏っているとアミノ酸スコアの低い食事になります。
- 白米+大豆製品
- 食パン(小麦)+チーズ+ハム
- うどん+卵
など、他の食品と組み合わせて食べることでトータルのスコアを高くすることができます。
たんぱく質の合成にはビタミンやミネラルも必要なので、バランス良く栄養素を摂取することが大切です。
● 肌の代謝を高める食品をとる
- ビタミンA ・・緑黄色野菜、鶏レバー、うなぎなど
- ビタミンB群 ・・豚肉、大豆、卵、乳製品、まぐろなど
- ビタミンC ・・果物類、ブロッコリー、パプリカ、さつまいもなど
- ビタミンE ・・ナッツ類、ごま、アボカド、かぼちゃなど
- 亜鉛 ・・ごま、牡蠣、牛肉など
● 肌の酸化を防ぐ食品をとる
紫外線などによって発生する活性酸素は体を酸化させ老化の大きな原因になります。
リコピンやカロテン、イソフラボンなど抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂りましょう。
トマトやニンジンなど色素の濃いカラフルな食品に多く含まれています。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
③ 日常生活で気をつけること
● スマホの使用はほどほどにする
スマホの長時間使用は、肩や首こり、眼精疲労、無表情などほうれい線の原因に当てはまるものばかりです。
20分に1回程度の間隔で、ストレッチを入れるなどして筋肉と目を休める時間を作りましょう。
● 仰向けで寝る
横向きやうつ伏せで寝ると顔が圧迫され、たるみや歪みの原因になります。
また、枕が高すぎると肩や首こりの原因になるので気を付けましょう。
● 姿勢を正す
前述したように猫背や頬杖もほうれい線の原因になります。
気付いた時はすぐに姿勢を直すようにしていきましょう。
● 表情を豊かにする
表情筋を動かしてたるみを解消していきましょう。
表情筋が動くと血流が良くなるため、むくみや肌の乾燥の改善にもつながります。
また、への字口やしかめっ面になりやすい方も気を付けましょう。
表情の癖で表情筋を使い過ぎると、表情筋が収縮したまま凝り固まってしまいます。
そうすると無表情に戻してもほうれい線やシワが消えなくなってしまいます。
体と同様に顔のストレッチをするようにしましょう。
ほうれい線の改善におススメの顔のストレッチや頬のトレーニングはこちらを参考にしてください。
ゴルゴラインもほうれい線も主な原因は頬のたるみです。
そのため、どちらも連動してできる場合があります。
記事で紹介されている方法で、ほうれい線もゴルゴラインも同時に改善していきましょう。
④ メイクでカバーする
「今すぐほうれい線を目立たなくしたい」という方はメイクの力を借りましょう。
ほうれい線を隠そうとして厚塗りするのは一番のNG行為です。
厚塗りをするとヨレてほうれい線にファンデーションなどが溜まってしまい、かえってほうれい線が目立ってしまいます。
ベースメイクは「薄く、均一に」重ねていくのがポイントです。
さらに、ほうれい線対策では光を味方にしたメイクを取り入れてみましょう。
● シリコン系の化粧下地
シリコン入りの下地は、ほうれい線の凹凸を均一にならし目立たなくしてくれます。
ファンデーションがほうれい線に落ちてしまうのを防ぐ効果もあります。
化粧下地を塗った後に、スポンジで上から叩きこむようにして凹みを埋めていきます。
シリコン系の下地を使うと乾燥を感じる方も多いかもしれません。
その場合は顔全体には普段使っている下地を塗り、ほうれい線や毛穴など気になる部分だけシリコン系の下地を使うとよいでしょう。
● コンシーラー
コンシーラーはシミやクマ隠しだけではなく、ほうれい線にも効果的なアイテムです。
コンシーラーでハイライト効果を出し凹んだほうれい線を立体的に見せていきます。
コンシーラーを使う時のポイントは3つです。
1. 明るめの色を選ぶ
ハイライト効果を出すために、肌の色よりも明るい色のコンシーラーを選びましょう。
ほうれい線を明るくすることで光を反射させ、ほうれい線の影を飛ばすことができます。
2. リキッドタイプを選ぶ
口元にあるほうれい線は動きが多い部分です。
硬めのコンシーラーだとヨレやすいので、柔らかめのテクスチャーのリキッドタイプを選びましょう。
筆タイプやチップタイプが使いやすくておススメです。
3. ほうれい線に塗り込まない
コンシーラーを使う目的は、ほうれい線を「隠す」のではなく「明るく見せる」ためです。
ほうれい線の始まりあたりから、横に向かって猫のヒゲのように片側3~5本ずつほうれい線上にのせていきます。
それを指かスポンジでポンポンと軽く叩き込むように馴染ませます。
擦るように伸ばすとムラになるので、ポンポンしながら馴染ませるのがポイントです。
コンシーラーの後は普段お使いのファンデーションで仕上げてください。
ここでも基本は「薄く・均一に」です。
ほうれい線をメイクでカバーする方法は、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
● ハイライト
明るめのコンシーラーだけでもOKですが、さらにハイライトを使うとより光で影を飛ばす効果が倍増します。
リキッドタイプのハイライトはコンシーラーと同時に使います。
どちらか1つだけでもOKです。
パウダータイプのハイライトはファンデーションの後に使います。
ギラギラしたラメやパール感が強すぎると、肌のアラが悪目立ちしやすくなります。
適度に光沢のあるものを選び、肌のツヤと明るさを演出しましょう。
3. まとめ
どうしてもほうれい線を無くしたい場合は美容整形という方法もあります。
ただ、怖いしお金もかかるし・・
そう思う方は、まずは出来ることから始めてみましょう。
悲しいことに肌は日々老化していきます。
今はまだ、ほうれい線が気にならない方もスキンケアや生活習慣、日常の癖を一度見直しておきましょう。
エイジングケアは、ほうれい線やシミ、シワ、くすみなどあらゆる老化トラブルの予防と改善に効果的です。
日々のケアで重力にも負けない若々しい肌を維持していきましょう。