鳩胸は、特に女性の頭を悩ませるコンプレックスの1つと言えるでしょう。
胸が前にせり出すように見えてしまうと、人前で姿勢良くするのもためらいがちになってしまいますよね。
そこで今回は、鳩胸の特徴や原因・治し方について紹介していきましょう。
鳩胸は、どうしようもないものだと諦めてはいませんか?
自分でできる矯正法も紹介していますので、鳩胸に悩んでいる方はぜひ一読ください。
1. 鳩胸の特徴
胸の真ん中を触ると、縦に長く硬い骨に触れると思います。
その部分を「胸骨」と呼びますが、この胸骨が前方に変形して鳩の胸のように胸部が盛り上がったような状態になることを鳩胸と呼びます。
逆に、胸骨が陥没して前胸部が内側に凹む変形の仕方をしているものを漏斗胸と呼びます。
内側に変形する漏斗胸では心臓や肺が圧迫されるといった症状が出ますが、外側に変形する鳩胸ではそのような負担は少ないです。
しかし、胸が突出してしまうため、外観に対するコンプレックスを抱いてしまいやすいのが問題です。
特に女性では、見た目のコンプレックスに加えて、着る服などにも制限が生まれやすく生活にも支障をきたしてしまいます。
多くは軽度の突出である場合が多く成長とともに目立たなくなりますが、突出がひどいと精神的な苦痛だけでなく、そのまま高齢になった場合、呼吸困難や肺気腫になりやすいとも言われています。
ちなみに、鳩胸には3つの種類があります。
一番多いのが胸部の下方が最も突出している第1型で、鳩胸全体の7割弱がこのタイプだと言われています。
続いて左右のどちらかが突出する第3型が3割弱、胸部の上方が突出している第2型が残りの数パーセントとなっています。
また、鳩胸は数千人に1人程度の頻度で発症し、男女比は5対1で男性に多いとされています。
2. 鳩胸の原因
鳩胸の原因には大きく先天性と後天性のものがあります。
先天性
鳩胸の原因の多くは先天的なものであり、中でも遺伝的な要素が一番多いと言われています。
つまり、鳩胸は同一家系に発症することが多いということです。
そのため、鳩胸の多くは生まれつき発症していますが目立つのは身体の小さい頃だけで、軽度のものであれば身体が成長していくとともに目立たなくなっていきます。
後天性
生まれつきの骨格は正常でも、乳児期に罹る病気によってその後鳩胸になってしまうことがあります。
代表的なものが「くる病」というものになります。
くる病とは、ビタミンDやリン、カルシウムの欠乏によって起こる骨の形成不全のことです。
骨の成長障害や骨格、軟骨の変形が主な症状で、鳩胸の他にもO脚などの変形が起こることがあります。
しかし、くる病による鳩胸はくる病の治療を行うことで次第に治まっていくことが多いと言われていますので、その場合はきちんと病院で治療を受けましょう。
くる病の予防のためには、ビタミンDを不足させないことが大切です。
ビタミンDを含む食品はあまり多くはありませんが、魚類に比較的多く含まれています。
その他、ビタミンDは紫外線に当たることによって体内で生成されます。
近年乳幼児にくる病が増加していますが、その原因は赤ちゃんの日光浴不足が影響しているとも言われています。
また、母乳にはビタミンDの含有量が少ないので、完全に母乳のみでの子育てではビタミンDが不足しがちになってしまいます。
その他にも、マルファン症候群や骨形成不全症などの病気も鳩胸の原因になる可能性があります。
病気以外でも、幼少期の肥満によって胸骨が膨らんでしまうことで鳩胸になってしまう場合があります。
その後、成長して痩せたとしても膨らんでしまった胸骨が戻ることはありません。
3. 女性にとって鳩胸のメリットって?
鳩胸の原因は肋骨や胸骨の変形なので、骨を矯正することで軽度の鳩胸であれば改善することができます。
しかし、骨を矯正するにも時間がかかりますし、様々な苦痛が伴います。
しかし、実は鳩胸はデメリットばかりではありません。
特に、女性の場合は胸が前方に突出していることでバスト全体が大きく見えるというメリットがあります。
鳩胸では谷間ができにくいと心配になっている方もいると思いますが、鳩胸を無理に矯正しようとしなくても、上手くバストを寄せることで谷間を作り出すことができます。
ブラジャーには、フルカップや3/4カップ、1/2カップなどの種類がありますが、それぞれに特徴があります。
結論から言うと、鳩胸の方に一番オススメなのは3/4カップのブラジャーになります。
3/4カップのブラジャーは寄せ上げる力が強いので、左右に開きがちな鳩胸のバストを脇周りから寄せ挙げてスッキリとキレイな谷間を作ることができます。
フルカップのブラジャーは安定感があり胸を全体的に持ち上げる力が強いですが、鳩胸の女性の場合どうしてもバストの上方がきつく感じてしまいがちです。
しかし、加齢でバストの下垂が進んでしまって3/4カップのブラジャーではバストの上部が空いてしまうようになってきたときには、フルカップのブラジャーがオススメです。
1/2カップのブラジャーは肩紐を外して利用したい方にはオススメですが、バストの造形性は低いため谷間を作ることは難しいでしょう。
鳩胸さんにオススメのブラについては、こちらの記事も参考になさってください。
4. 鳩胸の治し方
鳩胸は胸骨が変形することで起こるものですが、完全に治すには外科的手術が必要になります。
しかし、胸骨には軟骨部があるので矯正による改善方法もあると言われています。
ここからは鳩胸の治し方について紹介していきます。
① 手術
鳩胸の手術は3歳から行うことができます。
手術の内容としては、変形している肋軟骨(胸骨と肋骨をつなぐ軟骨)を切除することで突出した変形が矯正されるというものになります。
手術による治療では後遺症が残ることも少なく、改善もされやすいと言われています。
しかし、手術のためには入院は当然必要ですし、手術を終えて退院しても継続して通院しなければなりません。
また、手術の傷も残ってしまいます。数年かけて次第に目立たなくなるようですが、全くなくなるというわけではありません。
特に女性の場合では、その点についてもよく考える必要があります。
事前に医師としっかり確認をしておくと良いでしょう。
鳩胸の手術費用は保険適用(3割負担)で30万円程度と言われています。
しかし、鳩胸手術の保険はなかなか適用されることがありません。
なぜなら、鳩胸は漏斗胸と同じ病気なのですが漏斗胸と違って健康的被害がほとんどないため、あくまでも美容目的の手術という判断がされてしまいます。
保険適用外となってしまうと、全額負担で100万円ほどの費用がかかることになるので、その点についても家族や医療機関と相談してから決めることをオススメします。
② 矯正
手術と違って完全に治すというのは難しいですが、軽度な症状であればある程度の改善が見込める方法です。
自分でもできるので、軽い鳩胸に悩んでいるかたは試してみましょう。
● ストレッチ
鳩胸の中でも、特に胸部の下側が出ているという方に効果的な方法になります。
まず、身体の前で腕を組んで胸が出ているところに当てます。
そして、胸部を少し圧迫するように押しつけながらゆっくりと深呼吸をします。
これを1分1セットとして毎日3回程度を目安に続けてみましょう。
そうすると肋骨の軟骨部が少しずつ変形していき、鳩胸が改善されていきます。
急に力を入れたり無理に圧迫を続けたりすると、骨に過度の負担がかかってしまうので注意しましょう。
5. まとめ
鳩胸をコンプレックスと感じている方も多いですが、実は胸が大きく見えるという魅力的な面もあるのです。
上手なブラジャー選びをすることで、魅力的な谷間を作ることもできるでしょう。
しかし、鳩胸のネガティブな部分にばかり目が行き、姿勢も丸くなり、うつむきがちになってしまう人も多いです。
胸が目立ってしまわないようにという気持ちもわかりますが、その姿勢を続けているとやがて猫背になってしまい、肩こりや腰痛、神経症状などの余計な病気に悩まされてしまうこともあります。
鳩胸が気になる場合は姿勢で隠すのではなく、まずは日々の矯正から挑戦してみましょう。
根気強く続けることで、改善が図れるでしょう。