「メイクをしても顔色がさえない」「疲れてる?とよく聞かれる」など、肌のくすみは疲れた印象や実年齢よりも老けた印象を与えてしまいます。
くすみはシミやニキビのように部分的ではなく顔全体に出ることが多いため、自分のくすみに気付かない方も多いかもしれません。
まずは、簡単にできるくすみチェックをしてみましょう。
- 顔と首の色を比べると顔の色の方が暗い
- おでこと髪の生え際の肌の色が違う
- 洗顔後は顔色が白くなるが時間がたつと肌のトーンが暗くなる
ひとつでも当てはまっていたら、肌がくすんでいる可能性が大です。
くすみが進行しないように早めにケアをしていきましょう。
この記事ではくすみの原因と解消方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 顔のくすみの原因
① 血行不良による「青くすみ」
血液は体の各細胞に酸素と栄養を運び、二酸化炭素と老廃物を回収し排出する役割を持っています。
血液の流れは顔の血色に影響します。
血行が良く血色の良い肌は、桜色のようなほんのり赤味がかった色をしています。
一方、血行不良が起きると老廃物や二酸化炭素を多く含んで暗紅色の静脈血が滞りやすいため、肌が青黒くくすんだ色になります。
これは目元にできる青クマや寒くて唇が紫色になるのと同じ状態で、血行不良が肌の「青くすみ」の原因になります。
● 血行不良くすみが出やすい人の傾向
- 肌色が青黒く見える
- 冷え症や肩こりがある
- むくみやすい
- 運動不足
- 喫煙者
- 目元に青クマができやすい
- 寝不足や不規則な生活
② メラニン色素の沈着による「茶くすみ」
茶くすみはシミと同じメカニズムでできるくすみです。
紫外線などのダメージを受けると肌にあるメラノサイトがメラニン色素を作り出します。
紫外線以外にもストレス、肌への摩擦、ホルモンなどの刺激によりメラニン色素は作り出されます。
通常、作られたメラニン色素はターンオーバーによって古い角質とともに剥がれ落ちていくため肌に残ることはありません。
ところが、メラニン色素が過剰に作られると排出が追いつかず肌に残ってしまいます。
いわゆる色素沈着がおきて、これが「茶くすみ」の原因になります。
また、ターンオーバーの乱れがある場合もメラニン色素の排出がスムーズにできないため、くすみの原因になります。
● メラニンくすみが出やすい人の傾向
- 肌色が茶色またはこげ茶色に見える
- 紫外線を浴びることが多い
- 間違った洗顔などにより肌への摩擦が多い
- 角質がゴワゴワしている
- ホルモンバランスが乱れている
③ 乾燥によるくすみ
乾燥によるくすみは、肌の一番外側にある角質層の水分不足が原因です。
角質層が乾燥すると肌の毛羽立ちやキメの乱れが起きやすくなります。
乱れたキメの凹凸や毛羽立った角質に影ができてグレーっぽく黒ずんだくすみができます。
また、潤いのある角質層は光をきれいに反射させ透明感のある明るい肌色に見えます。
逆に乾燥した角質層は光の反射が少ないため、さらに顔を暗くくすんだ印象にしてしまいます。
● 乾燥くすみが出やすい人の傾向
- 肌色がグレーに見える
- 肌がカサカサしている
- ツヤや透明感がない
- 小ジワや毛穴も目立つ
- 乾燥肌、敏感肌
④ 角質肥厚によるくすみ
肌の角質層が分厚くなることを角質肥厚と言います。
肌の細胞はターンオーバーに必要な栄養や酸素を血液から受け取り、絶えず新しい肌を作り出しています。
表皮の基底層で作られた肌は最終的には老化角質(垢)となって剥がれ落ちていくことで、新しい肌へと入れ替わっていきます。
ターンオーバーについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
ところが、ターンオーバーの乱れによって剥がれ落ちるはずの老化角質が肌に留まり積み重なっていくことで、透明感がなくなりくすみができます。
老化角質にはメラニンも含まれているため、厚く重なると褐色がかったグレーっぽくくすんで見えます。
加齢・乾燥・血行不良・紫外線・間違ったスキンケアなどによってターンオーバーが乱れると角質が肥厚しやすくなります。
● 角質肥厚くすみが出やすい人の傾向
- 肌色がグレーまたは褐色がかったグレーに見える
- 肌が硬くゴワゴワしている
- メイクのノリが悪い
⑤ 皮脂やメイク汚れによるくすみ
皮脂の過剰な分泌やクレンジング・洗顔でメイク汚れを落とし切れていないことが大きな原因です。
肌に残ったメイク汚れや皮脂が酸化すると黒ずんだようなくすみになります。
毛穴の黒ずみと同じことが顔全体で起こっているとイメージすると分かりやすいと思います。
皮脂やメイクの油分が酸化してできた「過酸化脂質」という物質は、肌にダメージを与えターンオーバーを乱す要因になります。
ターンオーバーが乱れると毛穴の開きや黒ずみができやすくなり、さらに肌が暗くくすんで見えます。
● 汚れくすみが出やすい人の傾向
- 毛穴が目立つ
- メイクをしたまま寝ることがある
- インナードライ肌、脂性肌
- 毛穴パックや油とり紙をよく使う
⑥ 糖化による「黄くすみ」
黄くすみは「糖化」という現象によって作られるAGEsという物質の蓄積が原因です。
糖化とは、血液中の余分な糖質が体温で温められ体内のたんぱく質と結び付く反応のことで、その時作られる物質がAGEs(終末糖化産物)です。
糖化したたんぱく質は黄褐色に変色します。
この黄褐色のAGEsが肌に蓄積することが黄くすみの原因になります。
肌はたんぱく質でできているため糖化が進むと顔全体にくすみが出てきます。
表皮で糖化が起こると角質層の保水力が低下し、乾燥やターンオーバーが乱れる原因にもなります。
肌の大部分を占める真皮は、ハリや弾力を生み出すコラーゲンやエラスチンが骨組みとなり肌を支えています。
コラーゲンやエラスチンもたんぱく質の一種なため、真皮の糖化が進むと本来は透明だったコラーゲンなどが黄色化して肌の透明感が失われてしまいます。
また、糖化によってコラーゲンやエラスチンが持つ弾力やしなやかさが失われるため、シワやたるみの原因にもなります。
糖化も「酸化」と同様に肌老化を引き起こす要因のひとつだとされています。
● 糖化くすみが出やすい人の傾向
- 肌全体が黄色くくすんでいる
- 肌にハリや弾力がなくなってきた
- 甘い物や炭水化物を良く食べる
- 血糖値が高い
2. 顔のくすみの解消方法
くすみの原因は様々ですが全タイプに共通しているのがターンオーバーの乱れです。
そのため、くすみ解消方法の基本は「ターンオーバーを整える・乱さない」ということになります。
特に意識したケアが必要なくすみタイプやポイントも合わせてご紹介していきます。
① クレンジング・洗顔を見直す
美肌作りの基本はクレンジング・洗顔です。
メイクや余分な皮脂、ホコリなどの汚れを落としていくことが目的です。
正しい方法でクレンジング・洗顔を行うだけで解消できるくすみもあります。
逆に、間違ったやり方をしていると肌の乾燥や色素沈着、毛穴の黒ずみなどくすみを作る原因になります。
正しい方法をこちらの記事で確認しておきましょう。
● 乾燥くすみタイプ
スキンケアにおいて肌を乾燥させがちな行為といえば断トツでクレンジング・洗顔です。
化粧品で「補う」ことも大切ですが、まずはクレンジング・洗顔での「落とし方」を見直すことを最優先にしましょう。
● 汚れくすみタイプ
まずは普段しているメイクがきちんと落とせているのか、クレンジング剤の確認をしてみましょう。
基本的にはベースメイクの種類がクレンジング剤を選ぶ目安になります。
- リキッドファンデーション・ウォータープルーフ系の商品 ➝ オイル・リキッドタイプ
- パウダーファンデーション ➝ クリーム・ジェルタイプ
- フェイスパウダーのみ ➝ ミルクタイプ
毛穴の汚れが気になるからといって過度な洗浄や皮脂の除去は避けましょう。
かえって皮脂の分泌が増えて逆効果になることがあります。
毛穴の汚れ落としにはスチームタオルを使ってみましょう。
クレンジングの後にスチームタオルで毛穴を開かせてから洗顔をすると、毛穴の汚れが落としやすくなります。
肌への負担もなく毎日できる方法なのでおススメです。
● 角質肥厚くすみタイプ
余分な角質を取り除くにはピーリングが効果的です。
スクラブ剤、AHA、酵素などを使ったピーリング商品が数多く販売されています。
ただし過剰なピーリングは肌の乾燥につながるので注意しましょう。
肌が乾燥するとさらに角質肥厚が起こるので、商品に記載されている使用頻度を守りピーリング後はしっかり保湿をしてください。
② スキンケア
スキンケアでは保湿ケアを心がけましょう。
肌の水分を維持することは乾燥くすみの改善だけではなく、紫外線をブロックしたりターンオーバーを整えたりと肌機能の向上につながります。
化粧水で水分を補い、水分の蒸発を防ぐために乳液やクリームの油分で蓋をしていきます。
油分が多すぎると酸化やターンオーバーの妨げになるため、肌状態や季節に合わせて調節していきましょう。
こちらの記事も参考にしてみてください。
● 乾燥くすみタイプ
洗顔後やローションパックをするとパッとくすみが消えることがありませんか?
それは、角質層に水分が含まれたからです。
スキンケアでも同じ状態を作り維持することが目標です。
角質層の保水力を高めるヒト型セラミド配合の化粧品がおススメです。
● メラニンくすみタイプ
スキンケアに美白化粧品を取り入れてみましょう。
特にビタミンC誘導体は、メラニンの生成を抑制しながら出来てしまった色素沈着にも効果的で、予防と改善が同時にできる成分です。
③ 紫外線対策
紫外線を浴びるとメラニン色素が作られる以外にも肌の乾燥やコラーゲンへのダメージ、活性酸素の発生、ターンオーバーの乱れなどお肌にとっては大敵です。
年間通して紫外線対策を行うことがくすみや肌老化の解消と予防につながります。
④ 血行を良くする
肌のターンオーバーに必要な栄養や酸素を運んでいるのは血液です。
どんなに栄養を摂っても肌を作る細胞に届かなければ意味がありません。
血行を良くするには運動や入浴などで体を温めていきましょう。
運動はウォーキングやストレッチなど軽い運動でも大丈夫です。
特に第2の心臓と言われるふくらはぎの筋肉を動かすと、下半身に滞った血液が流れやすくなります。
また、お尻や太もも、背中などの大きな筋肉を意識して動かすと効率よく体を温めることができます。
肩こりや首こり、頭皮のこりも顔の血行に影響を与えるので、ストレッチやマッサージでほぐしていきましょう。
● 血行不良くすみタイプ
体を温めるのと同時に、体を冷やさないことも意識してください。
特に首、手首、足首には太い血管が通っているので、夏場でもストールやレッグウォーマーなどを使い冷やさない工夫をしましょう。
また、内臓を冷やさないためにも冷たい飲み物よりホットか常温がおススメです。
⑤ 食生活を見直す
食事から摂った栄養が肌を作る材料になります。
バランスの良い食生活はくすみの無い健康な肌作りに欠かせない要素です。
特に意識して摂りたい、くすみを改善する栄養素をあげていきます。
・たんぱく質
肌はたんぱく質でできているため欠かすことのできない栄養素です。
肉類・魚類・卵・乳製品などに含まれる動物性たんぱく質と、大豆製品などに含まれる植物性たんぱく質をバランスよく摂取しましょう。
・ビタミンA
抗酸化作用があり、皮膚や粘膜の健康と潤いを保つビタミンです。
鶏レバー・うなぎ・にんじん・かぼちゃ・しそなどに多く含まれています。
・ビタミンB2
ターンオーバーの促進や皮脂分泌のコントロールをします。
レバー類・卵・玄米・大豆製品・豚肉などに多く含まれています。
・ビタミンC
メラニン色素の沈着を抑制・改善していく美白ビタミンです。
また、活性酸素の除去やコラーゲン生成にも必要なビタミンです。
パプリカ・ピーマン・ブロッコリー・柑橘類などに多く含まれています。
・ビタミンE
血行を促進する効果や高い抗酸化作用をもつ若返りのビタミンです。
アーモンド・たらこ・いくら・かぼちゃ・ひまわり油などに多く含まれています。
● 糖化くすみタイプ
糖化は、糖質を摂り過ぎて余ったものがたんぱく質と結び付くことで起こります。
さらに血糖値が高い状態が長くなるほど糖化されやすくなります。
食事で糖質を摂取すると血糖値は高くなります。
糖化を防ぐためには、糖質を摂り過ぎないことと血糖値が上がりにくい食生活にすることが大切です。
糖質を多く含むケーキやチョコレート・白米・パン・パスタなどが好きな方は要注意です。
糖質も体にとっては大切なエネルギー源なので、全く摂らないわけにはいきません。
忙しいとパパッと糖質中心の食事で済ませてしまうことも多いと思いますが、そんな時はサラダや野菜スープなどをプラスして先に食べるようにしてください。
食物繊維を多く含む野菜(いも類は除く)は血糖値の急上昇を抑えてくれます。
何品かある場合は、野菜やきのこ、酢の物などの副菜➝肉や魚などの主菜➝ご飯という順番で良く噛んで食べましょう。
生姜・ニンニク・アーモンド・シナモン・リンゴ、・柑橘類・緑茶・どくだみ茶・ルイボスティーなどには抗糖化作用があるので積極的に取り入れたい食品です。
抗酸化作用のある食べ物についてはこちらの記事もご参考ください。
⑥ 質の良い睡眠をとる
肌は夜つくられると言われるように肌にとって睡眠はとても大切です。
ターンオーバーを促す成長ホルモンは、眠りについてから最初の3時間に多く分泌されます。
質の良い睡眠がとれるように、眠る前は頭も体もリラックスできる環境を作りましょう。
⑦ レーザー治療
色々なケアを試してみたけどなかなか改善できないくすみには、美容医療の力を借りて改善していくのもひとつです。
レーザー治療のメリットはくすみ以外のケアも同時に出来る点です。
多くのレーザーが、くすみやシミの改善、キメを整える、肌にハリや弾力を出す、毛穴を引き締めるなど複数の美肌効果を発揮します。
もちろんセルフケアに比べたら費用はかかりますが、それでも改善したいと思う方もいると思います。
取り扱う機種によって費用や効果に違いがあるので、気になる方は一度カウンセリングを受けてみると良いでしょう。
3. まとめ
くすみについて見てきましたがいかがでしたか?
ちょっとした心掛けがくすみの改善と予防につながります。
くすみに気付いたら早めにケアをして、くすみのない健康で若々しいお肌で過ごしましょう。